質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇八号

内閣参質一八〇第一〇八号
  平成二十四年五月二十二日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員秋野公造君提出原子力安全委員会による中間とりまとめを踏まえた緊急被ばく医療体制の強化に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出原子力安全委員会による中間とりまとめを踏まえた緊急被ばく医療体制の強化に関する再質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの緊急被ばく医療体制の強化に向けた検討については、先の答弁書(平成二十四年四月二十七日内閣参質一八〇第八七号。以下「前回答弁書」という。)一についてで述べたとおり、内閣府原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会が平成二十四年三月二十二日に取りまとめ同委員会に報告した「「原子力施設等の防災対策について」の見直しに関する考え方について(中間とりまとめ)」(以下「本件報告書」という。)等を踏まえ、同委員会、文部科学省、厚生労働省等の関係府省において連携を図りつつ進めることとしているところ、現時点において、当該検討の場として文部科学省における個別具体的な会議が定まっているものではないが、関係府省において適切な方法により行われるものと認識している。
 また、お尋ねの「等」とは、「原子力施設等の防災対策について」(昭和五十五年六月三十日原子力安全委員会決定)その他の原子力防災対策に関する様々な法令、計画等の見直し等に関係する府省を広く指しており、網羅的にお答えすることは困難である。

二について

 お尋ねについては、前回答弁書二及び三についてで述べたとおり、福島県内における緊急被ばく医療体制の整備に関するものとして、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「本件事故」という。)の検証や原子力防災体制の見直しの議論等を踏まえて検討していく必要があると認識している。なお、政府として、御指摘のように「東京電力福島第一原子力発電所の事故の検証等を待って」検討を開始するとの立場に立っているものではない。

三について

 前回答弁書四についてで述べたとおり、文部科学省としては、防災基本計画(昭和三十八年六月十四日中央防災会議決定)等を踏まえ、独立行政法人放射線医学総合研究所(以下「放医研」という。)が、御指摘のとおり、関係機関に対し専門家の派遣や技術的助言を行うとともに、被ばく者に対し、高度かつ専門的な除染、線量評価及び診療を実施できるよう、体制を整備してまいりたい。
 また、お尋ねの「福島県に一部機能を移転すること」の具体的な内容が必ずしも明らかではないが、福島県内における緊急被ばく医療体制の整備については、本件事故の検証や原子力防災体制の見直しの議論等を踏まえて検討していく必要があると認識している。なお、放医研は同県内の関係機関と連携し、同県への支援体制を強化することとしている。

四について

 政府においては、前回答弁書六についてで述べたとおり、原子力緊急事態において、防災基本計画における緊急被ばく医療活動に関し必要な専門的、技術的知見を有する者を適切に確保できるよう、検討を進めることとしているところ、お尋ねの「検討の場となる具体的な会議名」については、現時点において、当該検討の場として個別具体的な会議が定まっているものではないため、お答えすることは困難である。
 また、「緊急被ばく医療に関する業務だけが滞ったとの認識であるのか」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会等において本件事故に係る全般的な検証が行われているものと認識している。
 なお、政府としては、一般に、緊急被ばく医療活動のみならず、原子力防災対策に関し必要な専門的、技術的知見を有する者の確保が重要であると認識しているが、前回答弁書六についてでは、お尋ねが、本件報告書において職員の派遣の中止を指摘された放医研のような事例について、「政府が再発防止策として講じた措置」の内容を問うものであったことから、これに関してのみお答えしたものである。