質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第八一号

内閣参質一八〇第八一号
  平成二十四年四月二十日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出北朝鮮による弾道ミサイル発射への対応措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出北朝鮮による弾道ミサイル発射への対応措置に関する質問に対する答弁書

一について

 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十二条の三第三項の規定による弾道ミサイル等に対する破壊措置(以下「破壊措置」という。)を行う自衛隊の部隊の武器等の警護の手法については、これを明らかにすることにより、今後の自衛隊の運用に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、破壊措置を適切に行うため、破壊措置を行う部隊の武器等を警護する要員を当該部隊に組み入れて同項の規定に基づき現地に派遣することができると考えている。

二について

 お尋ねの「災害派遣の準備のための派遣という例」としては、平成二十三年の霧島山(新燃岳)の火山活動に際して、現地の近傍に所在する自衛隊の部隊によっては十分な対応が困難であることが見込まれたことから、自衛隊法第八十三条の規定による災害派遣を実施することとなる場合に備え、他の地域に所在する陸上自衛隊の要員を現地に派遣した事例がある。
 また、同条の規定による災害派遣の実施に備えて現地に派遣されたにとどまる職員については、防衛省の職員の給与等に関する法律施行令(昭和二十七年政令第三百六十八号)別表第五に定める災害派遣等手当の支給要件を満たさないため、当該手当は、支給されない。

三について

 特殊勤務手当は、著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務で、給与上特別の考慮を必要とし、かつ、その特殊性を俸給で考慮することが適当でないと認められるものに従事する職員に対して、その勤務の特殊性に応じて支給されるものであり、お尋ねの「災害派遣の準備のため」に派遣される職員の処遇の在り方については、当該職員の勤務の実態等を踏まえ検討する必要があると考えている。

四について

 破壊措置を行う自衛隊の部隊の武器等の警護の手法については、これを明らかにすることにより、今後の自衛隊の運用に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、自衛隊は、防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第十八号に規定する「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと」を根拠として、平素から我が国周辺の海空域における警戒監視活動を実施しているところである。
 いずれにせよ、自衛隊の行動及び権限の在り方については、任務の的確な遂行のため、不断の検討を行うことが必要であると考えている。

五について

 我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、あるべき防衛力の姿について不断の検討を行うことは当然であり、また、「中期防衛力整備計画(平成二十三年度~平成二十七年度)」(平成二十二年十二月十七日閣議決定。以下「中期防」という。)においても、中期防の策定三年後には、その時点における国際情勢、技術的水準の動向、財政事情等内外諸情勢を勘案し、必要に応じ見直しを行うこととしており、御指摘の田中防衛大臣の答弁は、このような趣旨を述べたものである。
 政府としては、「今年度中に中期防衛力整備計画を見直し、補正予算の編成等の措置」を行うことは、現時点では考えておらず、「平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成二十二年十二月十七日閣議決定)及び中期防に基づき防衛力の整備を着実に進めていくことが重要と考えている。