質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第三六号

内閣参質一八〇第三六号
  平成二十四年三月二日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員川田龍平君提出放射性物質の拡散対策に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出放射性物質の拡散対策に関する再質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「一定の条件」については、農林水産省が平成二十四年二月八日に公表した「スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について」の参考二「人体が受ける放射線量の試算」において、「前提条件」として示しているとおりであり、当該文書は、同省のホームページで公表している。

二について

 御指摘の「数値」は、一辺二百メートル、深さ十メートルの最終処分場全体に、セシウム一三四及びセシウム一三七(以下「放射性セシウム」という。)について、それらの放射能濃度の合計(以下「放射性セシウム濃度」という。)が一キログラム当たり八千ベクレルの廃棄物を埋め立て、当該処分場の境界線の一辺の中央部分(以下「境界線中央部分」という。)に周辺住民が居住したと仮定した場合、最も影響を受けやすい子供の外部被ばく線量を試算したところ、埋立処分終了直後からの一年間においても、年間七・八マイクロシーベルトとなることから得たものである。なお、当該試算に当たっては、当該廃棄物を三メートル埋め立てるごとに五十センチメートル中間覆土し、当該処分場の地表面に五十センチメートル覆土すること及び当該子供が一年間絶えず境界線中央部分に居住し、居住時間の二十パーセントを屋外で過ごすことを前提とした。

三について

 お尋ねについては、福島県福島市に所在するあらかわクリーンセンターにおいて、放射性セシウムを含む廃棄物を焼却した際の集じん器に流入する燃焼ガス(以下単に「燃焼ガス」という。)中及び集じん器から流出する排ガス(以下単に「排ガス」という。)中の放射性セシウム濃度を測定し、これらの測定結果を基に放射性セシウムの除去率(以下単に「除去率」という。)を算出したものである。これらの放射性セシウム濃度は、複数の箇所における測定値を合算したものであるが、当該測定値の一部には、検出限界未満の数値が含まれていたため、より安全側に立って、当該数値については、燃焼ガス中にあっては零、排ガス中にあっては検出限界としたところ、燃焼ガス中及び排ガス中の一立方メートル当たりの放射性セシウム濃度は、それぞれ二百二十四ベクレル及び〇・一八五ベクレルとの結果を得たところであり、これらの結果を基に算出した除去率が、九十九・九二パーセントであったことから、御指摘の「最終的な結果」を得たものである。

四について

 お尋ねについては、焼却施設の周辺住民に対する放射線の影響を確認する観点から、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)第二十四条第一項等に規定する特定一般廃棄物処理施設等(以下単に「特定一般廃棄物処理施設等」という。)に該当する焼却施設においては、その設置者等は、同法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号)第三十三条第一号等の規定により、事業場の敷地の境界における放射線の量を七日に一回以上測定し、かつ、記録することとされている。また、特定一般廃棄物処理施設等に該当しない焼却施設においては、環境省が地方公共団体等に周知した「災害廃棄物の広域処理の推進について(東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン)」(平成二十三年八月十一日環境省策定)で、災害廃棄物を焼却する者は、月一回程度、排ガス中及び焼却灰の放射能濃度の測定を行うこととされている。放射線の量等の測定及びその結果等の公表については、焼却施設の設置者等において実施されているところである。