質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二三六号

原子力規制委員会委員長及び委員候補者の人選に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年八月二十三日

谷岡 郁子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   原子力規制委員会委員長及び委員候補者の人選に関する質問主意書

 日本国民が未だかつて経験したことのない原発事故に遭遇した後、原子力規制組織の再構築は、国民、世界が注視するところであり、よほど慎重で透明性の高いやり方、人選が必要である旨、公開質問状を提出した。にもかかわらず、政府はこれを無視した。
 故に、以下、改めて候補者の人選について質問する。

一 原子力規制委員会委員長及び委員候補者の選定に当たり、国会事故調が提言した第三者性、透明性の高い方法をとらなかったのはなぜか。結果として信頼度が低下したと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

二 福島の原発事故を受けての重大な国家の規制体制の再出発に際し、今回提示された候補者たちは、国民・国際社会の信頼を回復するためには、いわゆる「原子力ムラ」との関係が近すぎると思うが、政府の見解を示されたい。また、これまでの原子力規制に批判的な候補者が含まれていない理由を明らかにされたい。

三 この原子力規制委員会は他の機関と違い格段に独立性が強い。
 よって、人選に当たっては、候補者のよほどの覚悟と見識が問われる。各候補者は、原子力規制関連法を厳格に運用し、とりわけ事故を常に想定した安全対策を求めている原子力規制委員会設置法の立法の精神に基づいて安全規制を行うことを国民に誓約すべきと思うが、政府の見解を示されたい。また、国会事故調及び政府事故調による各提言、勧告のうち、委員長及び委員の職務に関連する事項を全力で誠実に実行することを国民に約束すべきと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

四 各候補者は、日本の原子力安全規制とその基準が世界水準から大きく遅れていることに鑑み、これを速やかに是正して自然災害大国にふさわしい世界最高レベルの安全基準と規制を確立することに全力を尽くすことを国民に約束すべきと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

五 各候補者は、原発の再稼働に関しては、新たな恒久的安全基準をシステム中枢領域、システム支援領域、地域安全領域(政府事故調報告参照)においてそれぞれ確立し、その基準に照らして判断することを国民に約束すべきと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

六 各候補者は、電事連やその加盟企業あるいは原子力推進関連企業・団体から、過去に講師料や原稿料を受け取ったことがあるのか、政府の承知するところをすべて明らかにされたい。もし、ある場合にはその回数及び合計額をすべて公開すべきと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

七 各候補者は、前記三ないし六の各項目について、約束違反や虚偽の報告が明らかになった場合には、速やかに委員長又は委員を辞職することを国民に約束すべきと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。