質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一九一号

小型惑星探査機「はやぶさ2」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年七月十一日

山谷 えり子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   小型惑星探査機「はやぶさ2」に関する質問主意書

 宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)は、小型惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星1999JU3の物質を持ち帰るサンプルリターン・ミッションについて、二年後の平成二十六年に打ち上げを計画している。二年後を逃してしまうと軌道の関係から、次の打ち上げの機会は十年先になるとも言われている。
 生物の起源を明らかにし、イノベーションの大きな可能性のあるプロジェクトであるため、二年後の打ち上げ成功を国家として目指すべきと考える。
 JAXAによると、探査機の設計・製作費が約百六十億円、H2Aロケットの打ち上げ費用が約百億円となることから、今年度と来年度の予算で合計二百六十億円が必要な計算となる。
 しかし、平成二十四年度は七十三億円の予算要求に対し、半分以下の約三十億円しか予算が認められなかった。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 「はやぶさ2」プロジェクトの意義について、政府の見解を示されたい。

二 平成二十四年度予算で約三十億円しか認めなかったのはなぜか、具体的な理由を示されたい。

三 現在の予算額ではミッションを中止しろと言っているに等しいという専門家もいる。このような厳しい意見に対する政府の見解を示されたい。

四 今年度と来年度の予算で計算上約二百六十億円が必要となるプロジェクトに対し、今年度は約三十億円しか予算を認めなかったが、来年度には二百三十億円を計上するということか。予算計上の配分と今後の見通しについて、政府の方針を示されたい。

五 JAXAは、現在、「はやぶさ2」の打ち上げを含めた宇宙航空研究開発の更なる発展のために寄付を募っている。JAXAが寄付を求めなければならないほど危機的状況にあるのはなぜか、政府の見解を示されたい。

六 政府はJAXAの「はやぶさ2」プロジェクト担当者らと意見交換を行っているのか。既に意見交換を行っているのであれば、成功を目指す途上にある当該プロジェクトの見通しに対する政府の見解を示されたい。

七 三月二十二日の参議院内閣委員会での私の質問に対し、古川宇宙開発担当大臣は、地球観測衛星、陸域観測技術衛星だいちALOS1の後継機ALOS2を優先すべきだろうと判断し、そちらの方の予算を重点化した旨を答弁しているが、これでは二年後の打ち上げを目指す「はやぶさ2」を犠牲にすることにならないか。
 この点に関して、同委員会で古川大臣は、「ちゃんと平成二十六年に打ち上げられると、そこはやっぱり守っていかなければいけないと思っています。」、「しっかり二十六年度に予定どおり打ち上げができるように、これは責任を持ってやってまいりたいというふうに考えております。」と答弁しているが、「はやぶさ2」の二年後の打ち上げが確実となるのか。今後の宇宙航空研究開発の方向性について、国民が納得できるよう、政府の見解を示されたい。

  右質問する。