質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一八三号

メドヴェージェフ・ロシア連邦首相の国後島訪問に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年七月九日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   メドヴェージェフ・ロシア連邦首相の国後島訪問に関する質問主意書

 平成二十四年七月三日、メドヴェージェフ・ロシア連邦首相が、我が国固有の領土でありながら、ロシアによる不法占拠が行われている北方領土の国後島を訪問した。同首相は、平成二十二年十一月の大統領在任時にも同島を訪問しており、今回で二度目となる。これは誠に許し難い暴挙であり、断じて容認出来るものではない。
 北方領土問題については、本年六月十八日にメキシコにおいて開催された日露首脳会談終了後の野田内閣総理大臣、長浜官房副長官等の会見において、交渉の「再活性化」を図る、また、交渉を「静かな環境」の下で進めていくことで一致したと記者団に対し表明があったと承知していた。
 しかるに七月五日、藤村官房長官は会見で、前記会談において「再活性化」という言葉自体用いられていなかった旨発言した。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 前記会談の後、野田内閣総理大臣、長浜官房副長官等が、実際の会談内容と異なった説明を行った意図は何か、明らかにされたい。

二 事実と異なる情報発信は、島を奪われた島民及び北方領土返還運動関係者への背信行為であると認識しているが、政府の見解如何。

三 これまで日露間の様々な会談(電話会談含む)等において、「静かな環境で」話し合いたい旨で一致したとされているが、今般のメドヴェージェフ首相による国後島再訪問は、その「静かな環境」構築と相反するものであると認識せざるを得ない。この「静かな環境」で話し合いたい旨で一致したとする、これまでの我が国政府による情報発信は事実か否か。政府の見解如何。

四 北方領土問題をめぐり、ロシア上院のシニャキン外交副委員長が、「日本の政治家は第二次世界大戦で連合国側に無条件降伏したことを思い出すべきだ」と述べたとされているが、この「無条件降伏」発言は、歴史的事実に基づく我々の認識と反するものである。第二次世界大戦終結に係る「無条件降伏」論に対する野田内閣の見解如何。

  右質問する。