質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一二四号

南スーダンPKO及びハイチPKOへの自衛隊派遣に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年五月三十日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   南スーダンPKO及びハイチPKOへの自衛隊派遣に関する質問主意書

 日本政府は南スーダンへの国連PKOへ自衛隊部隊を派遣中であり、施設隊については、平成二十四年五月十一日に第二次隊派遣の行動命令が発出され、さらに第三次隊派遣に向け準備を進めている。
 一方、これまでの参議院予算委員会や同外交防衛委員会等において、藤村官房長官や田中防衛大臣、玄葉外務大臣は、南スーダンPKOの派遣及び継続に当たり、自衛隊の活動は、ODA、NGOや民間企業等の役割分担を明確にした上で、緊急性の高いものを中心に行っていくとの見解を示した。その上で、一川前防衛大臣も派遣前に南スーダンPKOにおける自衛隊活動の中期計画を作成する必要性に言及している。
 さらに、一川前防衛大臣は自衛隊部隊の派遣前に、自衛隊活動の出口戦略・出口政策について中期計画と併せて整理・作成する必要性を認めている。
 また、ハイチにおいても平成二十二年二月から自衛隊を国連PKOに参加させ、地震からの復旧等への支援を行っている。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 南スーダンPKOの第一の目的は長期的な国造りであり、そのために日本政府は自衛隊の活動をODAと連携して行う旨、藤村官房長官も発表している。長期的な国造りに資するための自衛隊の活動とODAの役割分担について、日本政府の見解を問う。また、ODAで主に行う支援、自衛隊が単独で主に行う支援、ODAと自衛隊が連携して行う支援分野についても具体的に明らかにされたい。

二 今後、逐次、交代部隊が派遣される予定だが、一川前防衛大臣の答弁を踏まえれば、ODAや民間等との役割分担を踏まえた上で、自衛隊派遣部隊の活動の指標となる中期計画の作成が必要となる。そして、その中期計画に基づき、派遣部隊は現地で国造り支援を行い、次期派遣部隊等は訓練等の諸準備を実施することになる。これは国費を使って国際活動を行っている意義、日本の縦割り行政の弊害を取り除き、効果的な国造り支援を行う観点等から極めて当然であり、かつ、重要なことであり、その概要を文民統制の観点からも国会に報告すべきものと考える。他方、今年三月二十八日の田中防衛大臣の答弁によれば、一次隊が派遣され、二次隊が派遣準備訓練を行っているが、未だ中期計画を作成していないとのことであった。
 日本政府は、南スーダンの国造り支援における日本政府全体の中期計画、その中における自衛隊派遣部隊の活動の指標となる中期計画を作成していないのか。また、作成していないとすれば、作成する予定はあるのか。作成する予定があるとすれば、何時までに作成するのか。仮に作成しないとするならば、その理由を明らかにされたい。

三 南スーダンPKOの自衛隊派遣部隊の出口戦略・出口政策については、一川前防衛大臣の発言どおり、日本政府として中期計画と併せて整理・作成する必要があると考える。その出口政策がなければ「日本政府は出口も考えずに、取りあえず自衛隊を派遣した」との批判も免れない。日本政府は、自衛隊を南スーダンPKOから撤収させる出口戦略・出口政策を持った上で、派遣したのか。また、出口戦略・出口政策について、派遣してから作成したのか、未だ作成していないのか、これから作成するのか、作成せずに取りあえず自衛隊に活動継続を命ずるのか、日本政府の見解を明らかにされたい。

四 ハイチにおける国連PKOにも、日本政府は地震からの復旧支援のために自衛隊を派遣中であるが、日本政府は、自衛隊をハイチPKOから撤収させる出口戦略・出口政策を持った上で、ハイチに自衛隊を派遣したのか。また、出口戦略・出口政策について、派遣してから作成したのか、未だ作成していないのか、これから作成するのか、日本政府の見解を明らかにされたい。
 また、ハイチにおける自衛隊とODAの役割分担、特にODAで主に行う支援、自衛隊が単独で主に行う支援、ODAと自衛隊が連携して行う支援分野に関する日本政府の見解について、具体的に明らかにされたい。また、ハイチにおけるこれまでのODAと自衛隊との連携実績についても、具体的に明らかにされたい。

  右質問する。