質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一一九号

南スーダンにおける我が国の国連平和維持活動参加に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年五月十八日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   南スーダンにおける我が国の国連平和維持活動参加に関する再質問主意書

 国際連合南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の活動地域は南スーダン全域であるが、私が先般提出した「南スーダンにおける我が国の国連平和維持活動参加に関する質問主意書」(第百八十回国会質問第九八号)に対する答弁書(内閣参質一八〇第九八号)によれば、「UNMISSの活動地域において武力紛争が発生したと判断すべき事態が生じた場合には、我が国の要員の派遣について、PKO参加五原則上の問題が生じ得る」、「現状においては、UNMISSの活動地域において武力紛争が発生しているとは考えていない」との回答があった。
 また、今般、「南北スーダンが停戦・交渉再開すべきこと等の決定」に関する国連安保理決議がされた。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 前記答弁書によれば、UNMISSの活動地域において武力紛争が発生した場合、PKO参加五原則との関係で問題が生じ得るとしているが、五原則のうちどの原則との間で如何なる理由により問題が生じ得るとしているのか、政府の見解を具体的に明らかにされたい。

二 前記答弁書によれば、PKO参加五原則との関係で問題が生じる武力紛争について、事案の態様、当事者の意思等を総合的に勘案して判断するとしている。南スーダンに限らず、内戦等が終結し、国連憲章第七章下の「国造り」型のPKOに自衛隊が参加した場合、参加後に、どのような事案が発生した場合にPKO参加五原則との関係で問題となり得るのか。また、どのような当事者の意思が発表された場合、PKO参加五原則との関係で問題があるのか、政府の見解を具体的に明らかにされたい。

三 前記答弁書によれば、UNMISSの活動地域においては、現状においては武力紛争は発生していないとしている。政府はその理由を「総合的に勘案」としているが、これでは法律との関係上理解し難く、自衛隊を派遣している以上、各種法律との関係の説明が不十分であると認識している。南スーダン軍が一連の国連安保理決議、スーダン及び南スーダン軍の取決め・合意を破り、国境を越えて、スーダンのヘグリグ地域を武力制圧したことが、武力紛争ではないと判断する具体的理由を明らかにされたい。
 また、スーダン軍が一連の国連安保理決議、スーダン及び南スーダン軍の取決め・合意を破り、南スーダンを度々空爆しているが、これが武力紛争ではないと判断する具体的理由を明らかにされたい。

四 国連安保理決議二〇四六(本年五月二日)は、南北スーダンが停戦・交渉再開すべきこと等を決定した文書であり、各種事案を挙げながら、国連が南北スーダンの停戦を求めている。当該決議が採択された一方で、政府が南スーダンで武力紛争が発生していないと判断する具体的理由を明らかにされたい。

五 前記四の国連安保理決議には、「空爆を含む全ての敵対行為の即時停止」とあり、主権を持つ両国に対して「immediately cease all hostilities」との表現の中で、「cease」と「hostilities」の単語を敢えて使用している。このような単語が使用された一方で、政府がPKO参加五原則に抵触しないと判断する理由を具体的に明らかにされたい。

六 前記四の国連安保理決議では、国境を越えて侵攻した軍隊に対して、国境の自国側への全ての自国軍部隊の無条件撤収を求めている。正規軍が国境を越えて相手国の領域に侵攻し、石油関連施設を占領した一方で、政府がPKO参加五原則に抵触しないと判断する理由を具体的に明らかにされたい。

七 前記四の国連安保理決議では、相手国の反政府勢力を匿い、支援停止を求めている。南北スーダンが相手国の反政府勢力を匿い、支援を行っている一方で、政府がPKO参加五原則に抵触しないと判断する理由を具体的に明らかにされたい。

  右質問する。