質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一一五号

日本政府の南スーダン調査団に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年五月十七日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   日本政府の南スーダン調査団に関する質問主意書

 防衛省は、現在、国際平和協力隊を派遣している南スーダンの治安情勢調査のため、調査団を五月上旬に南スーダンのジュバに派遣した。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 防衛省が、何故、この時期に治安情勢把握のため調査団を派遣したのか、その目的を明らかにされたい。また、仮に、治安情勢を把握し国際平和協力活動への影響評価を行うのであれば、内閣府や外務省との合同調査団による派遣が適当ではないかと考えるが、政府の見解如何。

二 国連PKOにおいて、自衛隊の要員や部隊の派遣前ならともかく、派遣後に派遣先国の治安情勢を調査するため、政府の調査団を派遣したことは、これまであったのか。前例がある場合、何回あったのか。また、これまで部隊等の派遣以降、防衛省単独の調査団の派遣があったのか、その実績を調査概要と共に明らかにされたい。

三 今回の調査団は、南スーダン北部のユニティ州やスーダンにおける現地調査を実施しておらず、首都ジュバでの聞き取り調査だけを実施している。日本政府が調査した場所等の選定理由と、それで十分とした理由を明らかにされたい。
 単にジュバ周辺の治安状況の確認だけであれば、四月中旬にジュバに視察に訪れていた陸上自衛隊中央即応集団司令官の調査報告で十分ではなかったのか。中央即応集団司令官からのジュバ周辺の治安状況報告だけでは不十分だった理由を明らかにされたい。
 また、中央即応集団司令官の視察先・面談先と、今回の防衛省調査団の視察先・面談先との間に違いがあれば明らかにされたい。

四 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)への自衛隊派遣にあたっては、「南スーダン国際平和協力業務実施計画」上、南スーダン全域が活動地域となっている。また、日本政府が南北スーダン間の戦闘行為を「武力紛争」ではないとし、南スーダン内で「武力紛争」が発生していないとするならば、南スーダン南部のジュバだけでなく、北部のユニティ州やスーダンに調査団を派遣すべきではないか。スーダンや南スーダンの国境地帯への調査団を派遣せずに、戦闘の態様や南北スーダンの戦闘意志・目的の把握が十分と言えるのか、政府の見解を明らかにされたい。

五 防衛省が、南スーダンにのみ調査団を派遣して、武力衝突が続いているシリアに調査団を派遣しなかった理由如何。
 シリア国内の治安状況が国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)への派遣隊員の活動に及ぼす影響を評価し、シリア国内の治安状況がPKO参加五原則に合致するか否かを判断するためにシリアに調査団を派遣すべきと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。