質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第五三号

指定薬物、脱法ハーブ等の取締り強化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年三月六日

藤井 基之   


       参議院議長 平田 健二 殿



   指定薬物、脱法ハーブ等の取締り強化に関する質問主意書

 政府は平成十八年、薬事法を改正して、いわゆる違法ドラッグの成分を指定薬物として指定し、医療上等の用途以外の用途に供するために製造、輸入等を行うことを禁止するなどの措置をとり、平成十九年四月から施行されている。
 しかし、近年、薬事法により規制される指定薬物の成分をわずかに変えた化学物質を合成し、植物片に浸みこませた脱法ハーブと呼ばれる商品が販売されるとともに、販売店の数も増加しており、その使用の結果、意識障害等の健康被害の発生が報道されている。また、地方自治体においては、指定薬物の含有が疑われる製品の試買調査及び成分検査が行われており、例えば本年二月二十八日、東京都が「指定薬物を含有する違法ドラッグの発見について」との発表を行っている。このような薬物はゲートウェードラッグとも呼ばれており、麻薬や覚せい剤といった違法な薬物の乱用につながる危険性を有している。
 さらに、このような薬物が薬事法に基づく指定薬物に指定されると、化学構造を少し変えて規制を免れるという、いわゆる「いたちごっこ」が続いているとの指摘もある。
 厚生労働省の厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会(以下「検討部会」という。)は、本年一月二十四日、「薬事法等制度改正についてのとりまとめ」を公表し、指定薬物の取締りの強化に向けて、具体的な方策を示している。
 指定薬物、脱法ハーブ等による薬物の乱用及びそれに伴う健康被害の発生を防止するためには、麻薬取締官(員)の活用等の迅速な対応が必要であると考える。
 そこで、指定薬物、脱法ハーブ等の取締り強化に関して、以下質問する。

一 平成十八年四月十三日の参議院厚生労働委員会において、厚生労働省医薬食品局長より「薬事監視指導体制の充実強化を図っていきたい」との答弁がなされているが、同体制の充実強化のためにとられた措置を具体的に示されたい。

二 薬事法第七十六条の六第一項及び第二項に規定する指定薬物である疑いがある物品の検査等の命令が出された事例はあるのか。該当事例があれば、具体的に示されたい。

三 薬事法第七十六条の七第一項及び第二項に規定する廃棄等の命令が出された事例はあるのか。該当事例があれば、具体的に示されたい。

四 薬事法第七十六条の八第一項の規定による必要な報告、立入り、検査及び質問を行った事例はあるのか。該当事例があれば、具体的に示されたい。

五 薬事法第七十七条に規定する指定手続の特例を行った事例はあるのか。該当事例があれば、具体的に示されたい。

六 いわゆる脱法ハーブに混入されている指定薬物に指定されていない薬物について、薬事法違反として取り締まった事例はあるのか。該当事例があれば、具体的に示されたい。

七 前記の検討部会のとりまとめで示されている、麻薬取締官(員)の活用、取締り体制の整備、国民への周知・啓発手法及び指定薬物の包括的な規制方法についての検討について、今後どのように進めることとしているのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。