質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第四八号

農家経営を圧迫している廃用牛の出荷滞留に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年三月二日

森 まさこ   


       参議院議長 平田 健二 殿



   農家経営を圧迫している廃用牛の出荷滞留に関する質問主意書

 東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の影響により汚染された牧草や稲わらを餌として与えられた疑いのある牛のと畜及び県外移動が制限されている。
 そのため、福島県では繁殖期を過ぎた和牛繁殖雌牛や搾乳を終えた乳用雌牛(以下「廃用牛」という。)の出荷が滞り、農家は牛を更新できない上に飼料代などの管理費がかかり、それにより運転資金が枯渇し、農家の経営が逼迫している。
 また、暫定規制値の見直しにより牛肉の出荷基準値は一キログラム当たり百ベクレルとなることから、更に長期間の飼い直しが必要となることも危惧され、農家は更なる経営の危機に陥っている。このような状況に鑑み、政府に対し、以下の質問をする。

一 出荷が滞っている廃用牛について、国による買上げや公共牧場等による集中管理を行わないのか。また、農家に対する飼料代等の管理費について、国は補助を行わないのか。政府の見解を明らかにされたい。

二 牛に与える飼料の暫定許容値が一キログラム当たり百ベクレルとされることから、農家の保管する牧草等で使用できないものが出てくることとなる。そのような事態に備えて、牧草等の検査体制を確立するとともに、牧草等の確保対策、使用できない牧草等の廃棄対策等を行わないのか。政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。