質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二八号

北九州市等におけるPCB廃棄物の適正処理の確保に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年二月十六日

秋野 公造   


       参議院議長 平田 健二 殿



   北九州市等におけるPCB廃棄物の適正処理の確保に関する質問主意書

 PCB廃棄物は三十年以上にも及ぶ長期保存による紛失や漏洩が指摘されているところであり、環境汚染の進行・拡大が懸念されていることから、その対策が急務である。
 PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法附則第二条では、同法の施行後十年が経過した場合、施行状況についての検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じることとされている。私が平成二十三年九月二十九日に提出した「PCB廃棄物処理の促進に関する質問主意書」(第百七十八回国会質問第二八号)に対する答弁書(内閣参質一七八第二八号)においても、政府はPCB廃棄物の処理を更に加速させていく必要があるとの認識を示した上で、「環境省において、「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置し、平成二十三年十月一日から検討を進めているところである。」と答弁したところである。
 PCB廃棄物の円滑な処理を進めるためには、安全性を十分に担保しつつ、北九州市等の既存の全国五箇所のPCB廃棄物処理施設が持つ能力を最大限に発揮させることが重要と考えるが、都道府県及び政令で定められている市によるPCB廃棄物搬入の確実な進捗管理とともに、PCB廃棄物処理施設が立地する地方公共団体及び住民の理解・協力並びに全国の地方公共団体間の連携が不可欠である。これらを前提に検討委員会の検討状況を踏まえた対策の早期実行を求める立場から、以下、質問する。

一 PCBの暴露による健康影響に関する専門家によると、PCB廃棄物の処理に当たり作業者の健康障害を防ぐためには、①作業環境管理、②適切な保護具の使用及び③生物学的モニタリングが重要と指摘されている。日本環境安全事業株式会社(以下「JESCO」という。)のPCB廃棄物処理施設内の作業従事者に対して、PCB等の暴露への安全対策及び健康管理対策は十分に講じられているのか、政府の承知するところを示されたい。

二 地域の理解を得てPCB廃棄物の円滑な処理を進めるためには、PCB廃棄物処理施設の安全対策が重要と考えるが、JESCOのPCB廃棄物処理施設内から外部へのPCB排出防止対策は万全に講じられているのか、政府の承知するところを示されたい。

三 資力が十分ではない中小企業等が今なお保管し続けているPCB廃棄物の処理を促進するためには、更なる財政支援が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。