質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第一八号

汚染コンクリート問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年二月八日

森 まさこ   


       参議院議長 平田 健二 殿



   汚染コンクリート問題に関する質問主意書

 経済産業省は、先日、福島県二本松市の新築マンションの工事で、東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていたことを発表した。当該汚染問題は、コンクリートの材料として平成二十三年四月二十二日に計画的避難区域に指定された浪江町津島地区の砕石場から搬出された石を用いていたために発生した。コンクリートやその原料となる砕石等については、放射線量に関する基準が設けられていない。
 なお、報道によれば、福島県は、平成二十三年五月以降、コンクリート等の建築資材について放射線量に関する基準を設けるよう国に要望を行っていたとされている。
 文部科学省は、平成二十三年三月十六日、浪江町赤宇木(あこうぎ)地区において、モニタリングカーによる測定を行い、毎時三百三十マイクロシーベルトという高い放射線量を計測していたことを発表した。なお、文部科学省によれば、赤宇木地区の同一地点における測定は、この一回限りであるが、同地区内の近隣地点における計測は継続的に実施しているとのことである。
 また、福島県により平成二十三年四月八日に発表された放射線量の測定結果によれば、浪江町立津島小学校では、毎時三十マイクロシーベルトと高い値を記録していた。毎時三百三十マイクロシーベルトが計測された赤宇木地区の地点と、砕石場のある津島地区は数キロ程度の近距離であるが、当該砕石場からの石の出荷について、出荷禁止の措置はとられていなかった。
 このような状況に鑑み、以下の質問に関して、政府の見解を求める。

一 毎時三百三十マイクロシーベルトという高い放射線量を計測した場所と同一地点での計測を継続しなかったのは不適切ではないか。

二 高い放射線量を計測した地点の周辺に砕石場がある事実について、政府は把握できていたはずであるが、なぜ対策がとられなかったのか。また、こうした事実を把握するために、福島県等の地元自治体とは、どのような体制で連絡・調整を行っていたのか。

三 コンクリートの原料となるセメントについては、放射線量に関する基準を設定していたにもかかわらず、同じくコンクリートの原料である砕石等については、同基準を設定していなかった理由を示されたい。

四 政府は、同様の事態の再発防止のために、どのような対策をとるのか。

  右質問する。