質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第八号

東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故に伴う修学旅行先の見直しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年二月一日

上野 通子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故に伴う修学旅行先の見直しに関する質問主意書

 平成二十三年三月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故を受けて、栃木県日光地域を例年、修学旅行で訪れていた小、中、高等学校等で、修学旅行先を見直す動きが広がっている。これに関連して、以下のとおり質問する。

一 環境省は先ごろ、日光国立公園の戦場ヶ原などの周辺地域で放射線量を測定したと耳にしている。測定結果を明らかにするとともに、周辺の放射線量が修学旅行生の健康に影響を与える水準なのか、政府の見解を明らかにされたい。

二 修学旅行生の減少は周辺地域の経済に打撃を与えるだけでなく、震災前と変わらぬ生活を取り戻そうとしている住民の心にも大きな痛手を与えかねない。政府として日光地域や東日本大震災の被災地を対象に、修学旅行生の増減について調査する考えはないか、当面の方針を示されたい。また、各学校を対象に今後の旅行先の変更について調査するとともに、例年の修学旅行先を変更しないよう指導する考えはないか、政府の見解を明らかにされたい。

三 周辺の放射線量が健康に問題のない水準であるにもかかわらず、旅行客なかんずく修学旅行生が減少しているのは放射能漏れ事故による風評被害にほかならないと考える。ところが、政府及び東京電力の観光業に対する賠償基準では、原発以外の影響を考慮し、実際の損害額から一部を控除し、賠償額を算定している。修学旅行生の減少に鑑み控除分を縮小し、若しくは取りやめる方向で賠償基準を見直す考えはないか。政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。