質問主意書

第179回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三〇号

内閣参質一七九第三〇号
  平成二十三年十一月二十九日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員藤井基之君提出子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤井基之君提出子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十二年国勢調査を基に推計したお尋ねの「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」(以下「事業」という。)におけるワクチンの接種対象者数(以下「推計接種対象者数」という。)は、子宮頸がん予防ワクチンが約二百三十四万八千人、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンがそれぞれ約五百二十九万七千人である。
 また、事業における平成二十二年十一月二十六日から平成二十三年八月三十一日までのワクチンの被接種者数は、子宮頸がん予防ワクチンが百六万六千五十六人、ヒブワクチンが百三十六万八千百人、小児用肺炎球菌ワクチンが百五十三万八千人であり、各ワクチンの推計接種対象者数に対する被接種者数の割合(以下「接種率」という。)は、それぞれ約四十五パーセント、約二十六パーセント、約二十九パーセントである。
 各ワクチンの接種率について、事業の実施途中である現時点において、評価を行うことは困難である。

二について

 平成二十三年七月三十一日までのワクチンの被接種者について、「ワクチン接種緊急促進事業実施要領」(平成二十二年十一月二十六日付け健発一一二六第一〇号・薬食発一一二六第三号厚生労働省健康局長及び医薬食品局長連名通知別紙)により平成二十二年十一月二十六日から平成二十三年八月二十二日までに厚生労働省に報告された副反応の件数は、子宮頸がん予防ワクチンが三百三件、ヒブワクチンが二百二十八件、小児用肺炎球菌ワクチンが二百九十六件であり、子宮頸がん予防ワクチンについては、失神寸前の状態六件、アナフィラキシーショック五件、アナフィラキシー反応四件等の症例が、ヒブワクチンについては、発熱十件、死亡(「呼吸停止」と報告されたものを含む。)七件、熱性けいれん四件等の症例が、また、小児用肺炎球菌ワクチンについては、発熱九件、死亡(「突然死」と報告されたものを含む。)五件、熱性けいれん四件等の症例が、それぞれ重篤な副反応として報告された。

三について

 お尋ねについては、二についてで述べた副反応の報告のうち子宮頸がん予防ワクチン接種後の死亡症例一件及び二種類以上のワクチンの同時接種後の死亡症例八件について、関係医療機関に対し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による調査を実施し、その結果について専門家による会議において評価を行ったところ、いずれの症例も、ワクチンの接種と死亡との間に、直接的な明確な因果関係は認められなかった。

四について

 事業の実施主体である市町村(特別区を含む。)が行った健康被害の救済については、現時点において承知していない。
 なお、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において、平成二十二年十一月二十六日以降に行われた子宮頸がん予防ワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの接種によるアナフィラキシー反応等の健康被害に対して、それぞれ一件の医薬品副作用被害救済制度による副作用救済給付の支給が決定されたと承知している。

五について

 子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)における位置付けを含め、予防接種制度の見直しについて、現在、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で議論を進めているところであり、厚生労働省としては、その議論も踏まえ、平成二十四年度以降の事業の取扱いについて、できるだけ早期に決定し、地方公共団体等に対して周知したいと考えている。