質問主意書

第179回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一七九第一九号
  平成二十三年十一月十八日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 藤村 修   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員浜田昌良君提出福島全県民の精神的損害及び自主避難に対する野田内閣の心ない対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出福島全県民の精神的損害及び自主避難に対する野田内閣の心ない対応に関する質問に対する答弁書

一について

 東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故(以下「原子力事故」という。)に関し、自主的避難に起因する損害については、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(平成二十三年八月五日原子力損害賠償紛争審査会決定)(以下「中間指針」という。)においては、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)に基づき賠償すべき損害として明示されていないが、原子力損害賠償紛争審査会において、平成二十三年八月五日以降、四回にわたり、自主的避難に起因する損害に対する賠償の対象範囲について、避難時期、避難区域、避難者の属性等を踏まえつつ、検討を進めているところであり、できるだけ早急に取りまとめたいと考えている。

二について

 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(平成二十三年法律第九十一号)第十四条第一項に規定する原子力被害応急対策基金(以下「対策基金」という。)の設置も含め、原子力事故の被災者に対してどのような支援措置が必要かについては、福島県と意見交換をしているところである。

三について

 御指摘のとおり、福島県内の市町村も、対策基金の設置主体になり得るが、福島県内の市町村からこのような対策基金の設置についての具体的な要望は受けていない。

四について

 お尋ねの「十一月四日の東京電力の回答」とは、福島県原子力損害対策協議会から平成二十三年十月二十四日に東京電力に提出された公開質問書に対する東京電力による同年十一月四日の「ご回答」(以下「回答」という。)を指していると思われるが、経済産業省においては、回答の案を同年十月三十一日に東京電力より受け取り確認している。政府としては、自主的避難等に起因する損害を含め、原子力事故と相当因果関係が認められる損害については全て賠償されるべきであると考えており、東京電力に対して被害者の個別の実情も十分踏まえて賠償を行うよう継続的に要請しているところ、回答の案を確認する際にも、中間指針で明示されていない損害に対する賠償を行うことについて、その手続の方法も含め明示すること等を指摘している。

五について

 お尋ねの点について、政府としては、原子力事故と相当因果関係が認められる損害については、東京電力において賠償を行うべきものと考えており、今後とも、東京電力に対して被災者の個別の実情を踏まえ賠償を行うよう求めてまいりたい。