質問主意書

第179回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一七九第四号
  平成二十三年十一月四日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 藤村 修   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員三原じゅん子君提出福島県相双地域における医療福祉等機関に対する支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員三原じゅん子君提出福島県相双地域における医療福祉等機関に対する支援に関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 政府としては、これまで、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故(以下「原子力発電所事故」という。)による被害を受けた医療機関に対する賠償金の支払を迅速かつ適切に行うよう、東京電力に対し、重ねて要請してきたところである。東京電力においては、政府による避難等の指示等があった区域内の医療機関に対する賠償の請求の受付を本年九月に開始したところであり、政府としては、東京電力による賠償の状況を注視し、賠償金の迅速かつ適切な支払について、引き続き、東京電力に対して要請してまいりたい。
 なお、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(平成二十三年法律第九十一号)により国が行う仮払金の支払の対象となる損害の範囲については、東京電力による賠償の進捗状況等を勘案し、今後、必要に応じて見直すこととしている。
 また、原子力発電所事故を含め、東日本大震災により経営状況が悪化している医療機関等を支援するため、独立行政法人福祉医療機構が行う医療貸付について、平成二十三年度第一次補正予算において、長期運転資金について無利子期間の創設、貸付限度額の引上げ、据置期間の延長、融資率の引上げ等の措置を講ずるために必要な予算を計上するとともに、平成二十三年度第二次補正予算において、既往債務に係る返済猶予、償還期間の延長及び貸付条件の緩和の措置を講ずるために必要な予算を計上しているところである。
 さらに、福島県に対しては、平成二十二年度第一次補正予算において計上した地域医療再生臨時特例交付金を申請に応じて交付額の上限である百二十億円まで交付することとし、厚生労働省から同県に対し、当該交付金を活用して、原子力発電所事故による被害を受けた医療機関に対する医療従事者の確保のための費用及び運転資金の支援を行うことの検討を要請したところ、同県においては、医療従事者の確保のための費用については、医療従事者の派遣に要する人件費や旅費等の支援を行う方針であり、運転資金については、現在、検討を行っているところと承知している。

五及び六について

 お尋ねの原子力発電所事故による被害を受けた医療機関の医療従事者の確保については、医療関係団体の協力を得て、当該医療機関への医療従事者の派遣を支援するとともに、医療従事者の派遣に要する費用について、地域医療再生臨時特例交付金による支援を可能としている。さらに、お尋ねの精神科医療機関の医療従事者の確保については、心のケアが必要な被災者の自宅や応急仮設住宅へ訪問して支援を行う人材を確保するため、平成二十三年度第三次補正予算において、障害者自立支援対策臨時特例基金の積増しに必要な経費を計上している。
 また、原子力発電所事故による被害を受けた地域において、福祉施設の再開等の生活環境の復旧を進めるとともに、福島県教育委員会及び関係の市町村教育委員会と連携し、子どもが安心して学べる環境の確保を行うなどにより、引き続き、医療従事者を含めた当該地域の住民の生活支援を行ってまいりたい。
 さらに、お尋ねの「被災地における公共交通」については、亘理駅から原ノ町駅までの区間等において、バスが運行しているものと承知しており、また、東日本旅客鉄道株式会社による常磐線の復旧が、沿線の市街地等の復興と調和を図りながら進められるよう、関係者と連携して検討してまいりたい。