質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五四号

東日本大震災における住宅再建に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十二月八日

熊谷 大   


       参議院議長 平田 健二 殿



   東日本大震災における住宅再建に関する質問主意書

 東日本大震災による津波被害等に対処すべく、現在、被災した自治体において復興まちづくり計画の策定を進めており、今回のような大規模な津波により尊い人命が失われたことを教訓として、高台や内陸部への大規模な移転が検討されている。
 移転先で住宅を再建する場合、その建築費用は被災者自らが支出しなければならないこととされており、その費用の捻出方法については、国として何らかの対処方針を定めるべきであると考える。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 平成二十三年十一月二十四日付けの朝日新聞において、「被災土地 高く買い上げ 国交省方針」との見出しで、「東日本大震災で津波の被害を受けた宅地や農地の自治体による買い上げ価格について、国土交通省は、五年間の復興期間にインフラが整備され、地価が回復することを見込んで算定する方針を固めた。」との報道がなされた。この記事に関連し、同日の衆議院東日本大震災復興特別委員会において、前田国土交通大臣は、同記事の内容を確認していないとの趣旨の答弁をしているが、当該報道内容の事実関係について、政府の承知するところを明らかにされたい。

二 前記一の記事では、国土交通省幹部の「評価は震災前の六~八割になる。」とのコメントが掲載されているが、発言の経緯及び記事の内容に対する朝日新聞社への政府の対応状況について明らかにされたい。

三 移転先で住宅を再建する場合、その建築費用は被災者自らが支出しなければならないこととなっているが、自治体が震災前の土地価格を反映した価格で買い上げることができれば、住宅再建の費用に充当でき、費用の捻出に苦慮している被災者の住宅再建にとって、有効な対策となるのではないかと考える。また、被災者から自治体が買い上げた土地を国が防災公園等の種地として、積極的に購入することも検討すべきであると考える。政府の見解を明らかにされたい。

四 国は、東日本大震災からの復興に向けて、被災自治体が地域の実情に応じて、住民生活の安定やコミュニティの再生、地域経済の振興・雇用維持等を行うために、単年度予算の枠に縛られずに弾力的かつきめ細かに対処できる資金として、復興基金を創設するとしている。同基金の各自治体別の措置予定額及び今後各自治体から追加措置の要望があった場合の対応について、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。