質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四二号

防衛省沖縄防衛局長の発言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十二月一日

糸数 慶子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   防衛省沖縄防衛局長の発言に関する質問主意書

 沖縄県の地元紙である琉球新報は、本年十一月二十九日付の一面に以下の記事を掲載した。
 「沖縄防衛局の田中聡局長は二十八日夜、報道陣との非公式の懇談会の席で、米軍普天間飛行場代替施設建設の環境影響評価(アセスメント)の「評価書」の年内提出について、一川保夫防衛相が「年内に提出できる準備をしている」との表現にとどめ、年内提出実施の明言を避けていることはなぜか、と問われたことに対し「これから犯しますよと言いますか」と述べ、年内提出の方針はあるものの、沖縄側の感情に配慮しているとの考えを示した。県などが普天間飛行場の「県外移設」を強く求め、県議会で評価書提出断念を求める決議が全会一致で可決された中、県民、女性をさげすみ、人権感覚を欠いた防衛局長の問題発言に反発の声が上がりそうだ。田中局長は那覇市の居酒屋で、防衛局が呼び掛けた報道陣との懇談会を開いた。報道陣は県内外の約十社が参加した。評価書の提出時期について、一川氏の発言が明確でないことについて質問が出たとき、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と発言した。」。
 この発言は沖縄県民を愚弄する不謹慎極まりない発言であり、酒宴の場とはいえ許し難い。
 よって、以下質問する。

一 同局長の発言の事実関係について、政府の承知するところを明らかにされたい。

二 同局長の発言が事実である場合、当該発言に対する政府の見解を示されたい。

三 同局長の発言が事実である場合、政府としてどのように対応するのか。また、沖縄県民に対しどのように対処するのか、政府の方針を明らかにされたい。

四 一川保夫防衛大臣の任命責任について、政府の見解を示されたい。

五 野田政権は政権発足後、普天間飛行場の移設問題に関し、外務省、防衛省等の関係閣僚や官僚を再三にわたり沖縄県に送り込み、県民の理解と協力を求めているが、内実は同局長の発言にみられる県民蔑視が根底にあり、民意を侮り、辺野古への新基地建設を強行することは明白である。沖縄の県民感情に対する政府の認識を示されたい。

六 同局長の発言は、環境影響評価書の提出時期の曖昧さから発せられたものであると考える。同評価書の提出時期を明らかにされたい。

  右質問する。