質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二五号

在日米軍の米軍属の公務中における犯罪に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十一月十五日

糸数 慶子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   在日米軍の米軍属の公務中における犯罪に関する質問主意書

 在日米軍の米軍属の公務中における犯罪(以下「公務中犯罪」という。)に対する処分の実態、日米地位協定の在り方等について、以下質問する。

一 法務省は本年十一月十一日、公務中犯罪の統計を明らかにした。これは二〇〇六年から二〇一〇年までの五年間にわたる公務中犯罪の統計であり、日米地位協定において公務中とみなされ、かつ、日本側において不起訴処分とされた米軍属の米国内での司法手続きの結果をまとめたものである。同統計によれば、計六十二件のうち軍法会議にかけられたものは無く、処分なしは二十七件、懲戒処分は三十五件となっている。処分なしが約四割を占めることは極めて不可解であり、犯罪被害者等においても、到底、納得できない。処分なしがこれだけ多数に上る点を踏まえた上で、公務中犯罪に対する政府の見解を示されたい。

二 法務省は、どのような手順で公務中犯罪の統計を入手したのか、米国政府、在日米軍等との具体的な交渉手続き及び内容を明らかにされたい。

三 計六十二件の公務中犯罪の詳細に関して、政府の承知するところを個別・具体的に明らかにされたい。また、処分なしの二十七件については米国内での裁判権の行使の有無を、懲戒処分の三十五件については個別の内容(懲戒の種類等)を、それぞれ政府の承知するところを明らかにされたい。

四 法務省は、いかなる理由で公務中犯罪の統計を必要と判断したのか、見解を示されたい。また、統計を開始した時期を明らかにするとともに、過去の公務中犯罪の統計も明らかにされたい。

五 今次統計によって明らかとなった公務中犯罪の実態にかんがみると、米軍属の第一次裁判権は日本側が有するべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

六 日米合同委員会において、米軍属等の裁判権について協議されたことがあるのか。協議されたのであれば、その協議内容等の詳細を明らかにされたい。

七 以上の点を踏まえ、日米地位協定の改定に対する政府の見解を示されたい。

  右質問する。