質問主意書

第178回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四四号

内閣参質一七八第四四号
  平成二十三年十月十一日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員浜田昌良君提出今般の東日本大震災等の復旧・復興における硬直的な予算要求・執行方式の是正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出今般の東日本大震災等の復旧・復興における硬直的な予算要求・執行方式の是正に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの予備費の使用については、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十五条第二項において、各省各庁の長は、予備費の使用を必要と認めるときは、理由、金額及び積算の基礎を明らかにした調書を作製し、これを財務大臣に送付しなければならないと規定されており、各府省は、それぞれの設置法に規定された所掌事務に基づき、使途・金額等の具体的な内容を確定した上で要求を行うことになる。
 また、お尋ねの予算要求については、同法第十七条第二項において、内閣総理大臣及び各省大臣は、その所掌に係る歳出等の見積に関する書類を作製し、これを財務大臣に送付しなければならないと規定されており、各府省は、これに従い要求を行うことになる。
 東日本大震災に対処するための予算については、早期の復旧・復興を図るため、東日本大震災復旧・復興予備費や平成二十三年度第三次補正予算等により適切に対応していくことが必要であると考えており、御指摘の野田財務大臣(当時)の答弁もこの旨を述べたものである。

三について

 御指摘の内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四条第一項第七号及び第八号並びに第三項第十四号の二の規定に基づき、平成二十三年度第一次補正予算及び第二次補正予算に計上された歳出の追加事項はない。
 また、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(平成二十三年法律第九十一号)第十四条第一項に規定する原子力被害応急対策基金の財源に充てるために必要な資金を補助する事業については、内閣府設置法第四条第一項第七号及び第八号並びに第三項第十四号の二に規定する所掌事務の範囲外であり、これらの規定に基づいて同事業に係る予算を要求することはできないと認識している。

四について

 政府としては、現時点では、御指摘の原子力被害応急対策基金を設けるという具体的な計画は承知していないが、今後、地方公共団体から具体的な要望があった場合には必要な措置を検討してまいりたい。
 また、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(平成二十三年八月五日原子力損害賠償紛争審査会決定)において賠償すべき損害として示されていない損害については、地方公共団体の要望等も踏まえ、自主避難者への支援も含め、必要な措置を講じてまいりたい。

五について

 お尋ねの「他の事業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、国の補助金等により造成される基金については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第十一条第一項の規定により、法令の定め並びに補助金等の交付の決定の内容及びこれに付した条件等に従い事業を行わなければならないこととされている。平成二十三年度第二次補正予算に計上された放射線量低減対策特別緊急事業費補助金及び原子力被災者健康確保・管理関連交付金により造成されるお尋ねの福島県原子力被災者・子ども健康基金については、当該補助金の交付要綱及び当該交付金の交付規則に定める対象事業の範囲内で事業を行うことが可能である。

六について

 平成二十四年度予算における沖縄振興のための一括交付金については、「平成二十四年度予算の概算要求組替え基準について」(平成二十三年九月二十日閣議決定)や同年度予算における地域自主戦略交付金の制度設計等を踏まえ、具体的な制度設計を含め、予算編成過程において検討することとしており、現時点において、お尋ねの「所掌事務」及び「「より自由度の高い」一括交付金として、今まで予算計上された実績」についてお示しすることは困難である。
 また、東日本大震災からの復興のための交付金については、「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成二十三年七月二十九日東日本大震災復興対策本部決定)において、使い勝手のよい自由度の高い交付金(以下「復興交付金」という。)を創設することとされており、現在、その具体化に向けた作業を行っているところである。

七について

 復興庁(仮称)については、「東日本大震災からの復興の基本方針」において、「東日本大震災復興基本法に基づき、東日本大震災からの復興に関する国の施策に関し、既存省庁の枠組みを超えて地方公共団体のニーズにワンストップで対応できるようにするなどのため、復興庁(仮称)を設置する」とされており、これを踏まえ、現在、被災地からの提案や要望への一元的な対応、復興交付金に関する事務等を行う方向で具体的な検討を進めているところである。