質問主意書

第178回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三〇号

内閣参質一七八第三〇号
  平成二十三年十月七日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員田村智子君提出北富士演習場での日米共同訓練に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田村智子君提出北富士演習場での日米共同訓練に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の日米共同訓練(以下単に「日米共同訓練」という。)は、陸上自衛隊及び米陸軍の各部隊がそれぞれの戦術技量の向上を図るとともに、相互理解と意思疎通を深め、我が国の有事における相互運用性の向上を図ることを目的として、昭和五十七年から毎年実施しているものである。訓練内容の詳細については、有事における我が国及び米国の対応振りに関わるものであり、事柄の性質上、お答えを差し控えたい。

二について

 北富士演習場については、御指摘の北富士演習場使用協定第二条において、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二条第四項(b)の規定に基づき、米軍がこれを使用することを認める」と規定されているところ、お尋ねのテキサス州兵は、米陸軍の部隊として日米共同訓練に参加するものであり、その使用が認められるものと考えている。

三について

 北富士演習場使用協定は、自衛隊及び米軍が北富士演習場を使用することについて定めたものであり、北富士駐屯地の使用について定めたものではないことから、「今回、北富士演習場以外の北富士駐屯地を使おうとしているのは、北富士演習場使用協定に違反するのではないか」との御指摘は当たらないと考えている。

四について

 平成二十三年度の日米共同訓練の予算額は約千百万円となっている。日米共同訓練は、一についてで述べたとおり、陸上自衛隊及び米陸軍の各部隊がそれぞれの戦術技量の向上を図るとともに、相互理解と意思疎通を深め、我が国の有事における相互運用性の向上を図ることを目的とした訓練であり、政府としては、そのための経費の支出は適切であると考えている。

五について

 御指摘の国際自然保護連合文化的景観検討責任者の指摘については承知していないが、政府としては、北富士演習場及び東富士演習場の存在は、富士山が世界文化遺産として顕著な普遍的価値を有するものと認められるに支障となるものではないと考えている。