質問主意書

第178回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二八号

内閣参質一七八第二八号
  平成二十三年十月七日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員秋野公造君提出PCB廃棄物処理の促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出PCB廃棄物処理の促進に関する質問に対する答弁書

一について

 PCB廃棄物(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成十三年法律第六十五号。以下「特別措置法」という。)第二条第一項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物をいう。以下同じ。)については、日本環境安全事業株式会社(以下「会社」という。)において、安全性に最大限の配慮をしつつ、確実な処理を進めているところであるが、トランス及びコンデンサ等のPCB廃棄物は、大きさが様々で、かつ、多様な構造を有していることなどから、会社のPCB廃棄物の処理に係る事業の国全体における進捗率は、御指摘のとおり平成二十三年三月時点でトランス類が三十六・一パーセント、コンデンサ類が二十九・三パーセントにとどまっており、環境省としては、PCB廃棄物を保管する事業者(以下単に「事業者」という。)が、その処分をしなければならない期限である平成二十八年七月までに処分を終えるよう、PCB廃棄物の処理を更に加速させていく必要があると認識している。

二について

 会社の各事業所へのPCB廃棄物の搬入については、都道府県及び特別措置法第七条第一項の政令で定める市が中心となって、同項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画に基づき、計画的な搬入に努めているところと承知しており、環境省としても、その進捗状況を確認し、PCB廃棄物の円滑な搬入の促進に向けて、必要な措置を講じてまいりたい。
 また、御指摘の特別措置法の施行の状況についての検討については、環境省において、「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置し、平成二十三年十月一日から検討を進めているところである。

三について

 中小企業者等(独立行政法人環境再生保全機構に関する省令(平成十六年環境省令第十一号)第二十一条第一号に規定する中小企業者及び学校法人等をいう。以下同じ。)が保管するPCB廃棄物の処理については、処理費用の一部を独立行政法人環境再生保全機構に設けられたポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成の対象としており、今後とも、同基金による助成を行うこととしている。また、環境省においては、平成二十三年度及び平成二十四年度を中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理の促進に重点的に取り組む期間として位置付け、都道府県及び特別措置法第十九条第一項の政令で定める市(以下「関係都道府県市」という。)並びに会社に対し、協力を求めているところである。これを踏まえ、現在、関係都道府県市及び会社において、中小企業者等に対し、PCB廃棄物の処理に関する説明会への参加を促進することなどにより、中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理の促進に取り組んでいるところと承知している。

四について

 環境省においては、事業者に対し、これまでも特別措置法第八条に基づくPCB廃棄物の保管及び処分の状況に関する届出を行うよう周知してきたところであるが、御指摘のとおり当該届出を行っていない事業者が存在していることは承知しており、当該事業者に当該届出の義務を確実に履行させるための方策について、今後、検討委員会において検討を進めていくこととしている。

五について

 会社の東京事業所、豊田事業所及び大阪事業所の事業対象地域にある安定器等のPCB廃棄物の処理体制の在り方については、今後、検討委員会において検討を進めていくこととしている。

六について

 PCB廃棄物の処理の推進に当たっては、処理施設が立地する地域の地方公共団体及び住民(以下「地方公共団体等」という。)の理解及び協力並びに地方公共団体等における連携が重要であり、環境省としては、地方公共団体等に対し、PCB廃棄物の処理に係る施策に関する情報を提供していくとともに、会社に対し、地方公共団体等にPCB廃棄物の処理に係る事業に関する情報を提供するよう指導してまいりたい。