質問主意書

第178回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一〇号

内閣参質一七八第一〇号
  平成二十三年九月二十七日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員秋野公造君提出エコ船舶の概念確立に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出エコ船舶の概念確立に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 平成十八年四月一日から、エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号。以下「省エネ法」という。)第三条の規定に基づき定められた「エネルギーの使用の合理化に関する基本方針」(平成二十一年経済産業省告示第五十七号)の定めるところにより、貨物輸送事業者(省エネ法第五十二条に規定する貨物輸送事業者をいう。以下同じ。)及び旅客輸送事業者(省エネ法第六十六条に規定する旅客輸送事業者をいう。以下同じ。)は、燃費効率が優れた輸送用機械器具の導入等のエネルギーの使用の合理化に努めることとされており、船舶により貨物を輸送する貨物輸送事業者(以下「船舶貨物輸送事業者」という。)及び船舶により旅客を輸送する旅客輸送事業者(以下「船舶旅客輸送事業者」という。)についても、この規制の対象に含まれているところである。
 御指摘の「エコ船舶」については、燃費効率が優れた船舶の普及を図るため、省エネ法第五十二条の規定に基づき定められた「貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する貨物輸送事業者の判断の基準」(平成十八年経済産業省・国土交通省告示第七号)及び省エネ法第六十六条の規定に基づき定められた「旅客の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する旅客輸送事業者の判断の基準」(平成十八年経済産業省・国土交通省告示第六号)において、環境性能に優れたスーパーエコシップ等を船舶貨物輸送事業者及び船舶旅客輸送事業者が導入に努めるべき船舶として位置付けるとともに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」という。)の船舶共有建造制度において、スーパーエコシップ等に係る船舶使用料の軽減を図る等の支援を実施している。
 また、対外船舶運航事業(海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第三十五条第三項第五号に規定する対外船舶運航事業をいう。以下同じ。)を営む者については、「千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書」(昭和五十八年条約第三号。以下「海洋汚染防止条約」という。)附属書Ⅵの改正により、平成二十五年一月一日から、個々の船舶は、新たに設定された二酸化炭素の排出基準を満たさなければならないこととされたところである。このため、現在、国土交通省において、改正された海洋汚染防止条約附属書Ⅵの規定を我が国国内に適用するに当たり必要となる措置を検討しているところである。
 船舶からの窒素酸化物の排出削減については、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)第十九条の三等の規定に基づき、既に排出量の規制を行っているところである。

二について

 政府としては、貨物輸送事業者及び旅客輸送事業者によるエネルギーの使用の合理化の推進に当たっては、これらの事業者が輸送用機械器具の燃費効率等のエネルギーの使用の状況を把握することが重要であると考えており、省エネ法第五十六条(省エネ法第六十九条において準用する場合を含む。)の規定により、一定の貨物輸送事業者及び旅客輸送事業者に対して、毎年度、エネルギーの使用に係る原単位について国土交通大臣に報告することを義務付けているところであるが、船舶貨物輸送事業者及び船舶旅客輸送事業者についてもこの義務付けの対象としているところである。
 また、対外船舶運航事業においては、海洋汚染防止条約附属書Ⅵの改正により、平成二十五年一月一日から、個々の船舶は、二酸化炭素の排出削減を目的として、そのために最適な運航を推進する計画を策定しなければならないこととされたところである。このため、現在、国土交通省において、改正された海洋汚染防止条約附属書Ⅵの規定を我が国国内に適用するに当たり必要となる措置を検討しているところである。

四について

 我が国においては、一般財団法人日本海事協会が、船舶からの二酸化炭素の排出規制を実施するため国際的に標準化された評価方法に基づき、船舶の燃費効率の評価を実施しているところである。

五について

 環境性能に優れたスーパーエコシップ等の普及のためには、政府による支援も有効であると考えており、一及び三についてでお答えした鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度における船舶使用料の軽減措置や船舶の低炭素化に資する設備の導入に対する補助制度等により、船舶貨物輸送事業者及び船舶旅客輸送事業者を支援しているところである。