質問主意書

第178回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三二号

いわゆるマイクロスポットに対する体系的・網羅的対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年九月二十九日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   いわゆるマイクロスポットに対する体系的・網羅的対応に関する質問主意書

 九月十七日、横浜市港北区内の道路側溝周辺において、一キログラム当たり四万二百ベクレルの放射性セシウムが検出され、地上五十センチメートルで毎時〇・九一マイクロシーベルトの空間線量が計測されたことを受け、周辺より高い値の放射線量が計測される場所、いわゆるマイクロスポットへの早急な対応が広域的に求められている。
 その後、同区内の市立保育園・小中学校でマイクロスポットとなる可能性が高いと思われる場所を測定したところ、最大毎時〇・六三マイクロシーベルトの空間線量(屋上の排水口付近で地上一センチメートル)が計測され、毎時〇・一マイクロシーベルトを超えた地点が約十地点であったと報告されている(九月二十一日現在)。さらに、九月二十六日には、同区内の小中学校の屋上を清掃した土砂、武道場の雨樋下及び屋上側溝から、それぞれ、毎時〇・六七、〇・九七、〇・六七マイクロシーベルトを計測したと報告されている。
 原子力発電所事故発生以来、保育園、学校等の校庭等の空間線量の測定は進められてきたが、このようなマイクロスポットに対する政府としての体系的・網羅的な対応を求める声がある。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 このようなマイクロスポットを各自治体が計測した結果について、政府はどのようにして体系的に集積しているのか。また、そのワンストップ的な公表は行っているのか。行っていないならば、今後どのように改善するのか。

二 横浜市など、東京電力福島第一原子力発電所から遠く離れた地点においても、このようなマイクロスポットが形成されているメカニズムについて、政府はどのように認識しているのか。不安を抱いている国民にわかる形で明らかにされたい。

三 福島県以外で、本年四月以降、空間線量として、毎時〇・一マイクロシーベルト以上、あるいは一キログラム当たり八千ベクレル以上を計測した地点は何地点あるか。政府が把握している範囲で、都道府県別に明らかにされたい。

四 マイクロスポットは、排水溝周辺、雨樋の下、砂の集積場所など、一定の類型化された場所に生じていると考えられるが、政府として把握しているデータの範囲では、どのような地点において発生しやすいと推定しているか。その類型別分布とともに、具体的に明らかにされたい。

五 保育園や小中学校だけではなく、児童公園、空き地など子どもの遊び場を含め、マイクロスポットの広域的・網羅的対応が求められている。子どもの健康を守り、そのご家族の安心を得ていくために、このような類型化を行うとともに、SPEEDIなどのデータから、広域的にマイクロスポットの体系的計測及び網羅的除去を行うことが必要と考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

六 そのためには、マイクロスポットの対象となる可能性がある自治体に対する資機材の支援を第三次補正予算で行うべきと考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。