質問主意書

第178回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三一号

事業仕分けによる刑事施設における物品販売事業からの地元事業者の締め出しに関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年九月二十九日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   事業仕分けによる刑事施設における物品販売事業からの地元事業者の締め出しに関する再質問主意書

 事業仕分けによる刑事施設における物品販売事業からの地元事業者の締め出しに関する質問主意書(第百七十八回国会質問第五号)に対し、九月二十七日付けで答弁書(内閣参質一七八第五号)(以下「答弁書」という。)を受領したが、いまだ明らかでない点がある。
 そこで、以下質問する。

一 答弁書によれば、行政刷新会議の指摘は、物品販売事業の事業仕分けにおいて、「地元事業者を排除すべき」といった議論は行われておらず、かつ、法務省としても、指定事業者が物品販売事業を行う際の物品の調達先として、「地元事業者」を活用することが「不正の温床」となると考えていない、とのことであるが、結果として、既に指定事業者が変更された十七施設において、地元物品販売・卸事業者等からの調達が打ち切られ、結果として地元事業者が排除されていることを、野田内閣は、「致し方のないこと」と考えているのか、見解を示されたい。

二 答弁書によれば、「地元物品販売・卸事業者等からの調達が打ち切られ、結果として地元事業者が排除された」の意味するところが必ずしも明らかでないが、指定事業者が物品販売事業を行う際の物品の調達先については、指定事業者がその判断により決するものであり、政府として網羅的に把握していないとのことであるが、今般の指定事業者の変更に関し、法務省及びその出先機関並びに刑事施設に対し、地元物品販売・卸事業者等からの調達に関する問い合わせ、意見、要請などは何件あったのか。把握している範囲で、問い合わせ等を受けた機関別に明らかにされたい。その主な意見、要請などはどのようなものであったのか。併せて、このような地元事業者の意見などを踏まえ、指定事業者の変更に伴い物品販売事業者がどのように変更されているかについて、政府として網羅的に把握するための調査を指定事業者に依頼すべきと考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

三 答弁書によれば、現時点において、物品販売事業について、エームサービス株式会社と再協議を行うことは予定していないとあるが、法務省矯正局(以下「甲」という。)と指定事業者たるエームサービス株式会社(以下「乙」という。)との総括協定書第四条第二項によれば、「甲及び乙は、本業務を適正かつ円滑に実施することを目的として、本業務の課題等に関する協議を行うこととする」とある。今般の指定事業者の変更に伴い、各地の刑事施設の地元理解が著しく低下するようなこととなった場合でも、本協定書のいう「本業務を適正かつ円滑に実施することを目的として、本業務の課題等に関する協議」を行うことにならないのか。各地の刑事施設と地元がギクシャクしないようにすることが、「本業務を適正かつ円滑に実施する」という目的に当たると考えないのか、野田内閣の見解を明らかにされたい。また、本協定書第四条第一項に、「乙は、甲に対し、本業務の実施状況等を報告するものとする」とあるが、この条項に基づき、乙から、指定事業者の変更に伴い、物品販売事業者がどのように変更されているかについて報告はなされていないのか。報告がなされていないのならば、報告を求めるべきではないか。野田内閣の見解を明らかにされたい。

四 今般の東日本大震災の被災地である、岩手県、宮城県及び福島県の刑事施設は何施設あるのか。そのうち、指定事業者の変更が予定されている施設を全て明らかにされたい。また、その変更はいつから行われるのか、施設別に明らかにされたい。総括協定書第三条に、「各刑事施設の長との協定書」が規定されているが、これらの施設においては、施設別に乙との間で協定書を締結しているのか。今後締結するのであれば、被災地の特殊事情に鑑み、地元物品販売・卸事業者等からの調達を可能な範囲で引き続き行うことを当該協定書に盛り込むべきであり、既に締結しているのであれば、その旨修正すべきと考えるが、被災地に寄り添った視点からの野田内閣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。