質問主意書

第178回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一〇号

エコ船舶の概念確立に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年九月十五日

秋野 公造   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   エコ船舶の概念確立に関する質問主意書

 温室効果ガス排出量の二十五パーセント削減は鳩山内閣以降の民主党政権の国際公約であるにもかかわらず、この具体的な道筋は示されていない。再生可能エネルギー法に関する審議が通常国会にて行われたものの、この観点については十分に提案がなされなかったものと考える。一方で、我が国においてはエコカーや住宅エコポイント等の政策が大きな経済効果をあげたように、国民にもエコ技術への理解は浸透したところであり、成熟したエコ関連技術は、我が国の経済を牽引するだけでなく、環境についても世界を牽引できる状況となっている。
 また、世界においては、コンテナ船によるCO2排出量は全排出量の三パーセントを占めるとの試算もあり、今後対応が求められる。コンテナ船による物流は重要であり、今後も発展を期待するところであるが、我が国において車に対する対策は進んでいるにもかかわらず、船舶の規制は平成十九年に当時の自公政権が大型船に対して行った実証実験以降、政権交代が行われたにもかかわらず、何も行われていない。温室効果ガス排出量の二十五パーセント削減を世界に宣言した民主党政権がこれを放置することは怠慢であり真摯に取り組むべきである。よって建設的な提案の視点から、以下質問する。

一 エコカーのようにエコ船舶という概念をつくり、船舶から排出されるCO2を削減する制度の必要性について、政府の見解を示されたい。

二 少なくともエコカーにエコランプがあるように、エコ船舶にもエコランプを装備し、燃費効率が優れたCO2削減につながる運航状況を把握できるよう推進することの必要性について、政府の見解を示されたい。

三 東京都や埼玉県で船舶に関するNOxやCO2の排出規制が行われているが、全国的に導入できる規制について国レベルでの検討を行う必要性について、政府の見解を示されたい。

四 エネルギー効率を向上させることや排出規制を行うことができ、環境に優しくエコにつながる技術を評価する仕組みの標準化を行わないと、地方自治体や当事者が何を選べばいいのか分からない。国の機関または財団等で船舶に関するエコ技術・環境に優しい技術を認可または評価できる仕組みの創設の必要性について、政府の見解を示されたい。

五 将来的にはエコカー減税のようなエコ船舶に対する補助の本格導入を考えるべきであり、そのための技術支援の必要性について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。