質問主意書

第178回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六号

東日本大震災の被災地における浄水機能の復旧等の災害復旧事業のあり方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年九月十四日

秋 野 公 造   


       参議院議長 西 岡 武 夫 殿



   東日本大震災の被災地における浄水機能の復旧等の災害復旧事業のあり方に関する質問主意書

 「東日本大震災の被災地における浄水機能の復旧等の災害復旧事業のあり方に関する質問主意書」(第百七十七回国会質問第二三九号。平成二十三年八月二日提出)及び「同再質問主意書」(第百七十七回国会質問第二七二号。平成二十三年八月二十五日提出)によって質問した本意は、平成二十三年六月十五日に参議院東日本大震災復興特別委員会において当時の野田佳彦国務大臣が「災害復旧については、適切な工法の選択あるいは工事単価の検証等を通じて、効果的に効率的な執行に努めていただきたいという思いがございます。この先がなかなかお答えしにくくなってまいります。災害復旧に当たっては、被災施設を原状に復帰することが原則でございますので、下水道は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、もう御存じだと思いますが、浄化槽は財政援助法と、根拠法が全く異なるものですから、地方自治体が自由に選択できるようにするためには、この法律の立て付けをどうするかというところを乗り越えないと困難があるのではないかというふうに承知をしております。」と答弁したことについて、その「立て付けの悪さ」を解消し、早期復興と国庫負担の軽減を図る手法があれば採用を検討すべきとの考えの下、関係法令の改正、現行法での対応について具体的手法を踏まえて質問したものである。しかし、答弁、再答弁に当たっては、現行法にしたがって答弁を繰り返すのみで、立て付けを改善しようとする誠意が一片も見られない。したがって、当初の質問及び再質問を踏まえて、次のとおり改めて質問をする。

一 「立て付け」の改善について

 野田佳彦国務大臣(当時)が前記委員会で答弁した下水道と浄化槽との関係に関連し、今後「立て付けをどうするか」について、政府の意向等を示されたい。

二 補助制度の矛盾解消について

 政府答弁書(内閣参質一七七第二七二号。平成二十三年九月二日)には、「地域の実情に適した汚水処理施設の復旧等が図られるよう、関係省庁間で十分に連携を図りながら、既存の国庫補助制度等により、地方公共団体を支援し、被災地域の早期の復旧・復興に努めてまいりたい」とあるが、既存の制度で市町村が下水道に代えて浄化槽で災害復旧を行おうとする場合、下水道よりも事業費がはるかに安いにもかかわらず、旧下水道施設の解体・処理に対する支援もなく、市町村の負担が下水道による災害復旧の場合より多額になるという矛盾を政府は是認するのか、見解を示されたい。

三 維持管理コストについて

 下水道は使用量に応じた料金体系が示されているにもかかわらず、市町村における浄化槽の維持管理コストについては、統一された標準的な基準がなく、自治体によって実費だったり、検査費用を割り振ったりしているようだが、事実関係と改善への政府の取組を示されたい。下水道は積算根拠となるものを関係団体が作成し運用しているようだが、浄化槽についても維持管理コストについて研究すべきと考えるが、政府の取組を示されたい。

四 下水道の認可区域における対応について

 下水道の供用区域においては、三年以内に下水管を接続しなくてはならないとされている。今後、下水道の認可区域が拡大されていくと、浄化槽が既に整備されているところについても下水管を繋がなくてはならなくなるが、その合理的理由を示されたい。今回のような地震における災害対策を考えると、下水管は地震に弱く、災害対策上、浄化槽の方が合理的かつ経済的であると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。