質問主意書

第178回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四号

野田内閣の東京電力福島第一原発事故対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年九月十四日

森 まさこ   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   野田内閣の東京電力福島第一原発事故対応に関する質問主意書

 平成二十三年九月二日に発足した民主党野田内閣において経済産業大臣の任に就いていた同党の鉢呂吉雄衆議院議員は、原子力事故を収束させて被災者の生命と生活を守るという重責を担っていたにもかかわらず、あたかも放射能が人から人に感染するかのような稚拙な言動をマスコミの前で繰り広げ、なおかつ、東京電力福島第一原子力発電所周辺地域を「死の町」と表現するなど、およそ閣僚としての見識に欠ける言動に及び、その責めによりわずか九日間で辞任するに至った。
 福島県の原発事故の被災者は、一日も早く豊かなふるさとを取り戻し、子ども達の未来を守りたいという切実な思いで日々を送っており、この度の経済産業大臣の言動は、この被災者の思いを無残に踏みにじるものである。また、放射能に関する誤った認識を国民に与え、風評被害や様々な差別に苦しめられている福島県の住民、事業者、そして子ども達を更なる過酷な境遇に陥れる危険をはらんだ行為であり、到底、一大臣の辞任により済まされる問題ではない。
 このような資質と見識に欠ける人物を選任した野田内閣総理大臣の任命責任はもとより、野田内閣総理大臣自身が、原発事故の凄惨さと風評被害や差別の本質を理解していないと思わざるを得ず、その不見識と緊張感の欠如こそが問題とされるべきである。
 野田内閣総理大臣をはじめ、原発事故の収束の陣頭に立つべき立場の者の不見識と緊張感の欠如の原因の一つとして、原発事故被害の実情を把握するための現地体制の不備が考えられるが、現在、原子力災害現地対策本部は福島県庁内に置かれ、原発事故の中心域からは距離を置いた場所にある。しかし、政府が被災地の状況を正確に把握し、臨場感と緊張感をもって対策と支援にあたるためには、いわき市など浜通り地区で原発事故の被災状況を直に認知できる場所に現地対策本部を置き、最前線で情報収集と指揮を行うべきであると思われるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。