質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五八号

内閣参質一七七第二五八号
  平成二十三年八月二十三日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員又市征治君提出医薬品の配置販売業における講習及び業務の実態と指導強化の必要性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員又市征治君提出医薬品の配置販売業における講習及び業務の実態と指導強化の必要性に関する質問に対する答弁書

一から三まで及び五について

 お尋ねの既存配置販売業者(薬事法の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十九号。以下「改正法」という。)附則第十条に規定する既存配置販売業者をいう。以下同じ。)の配置員に対する講習、研修等(以下「講習等」という。)については、「薬事法の一部を改正する法律附則第十二条に規定する既存配置販売業者の配置員の資質の向上について」(平成二十一年三月三十一日付け薬食総発第○三三一○○一号厚生労働省医薬食品局総務課長通知。以下「資質向上通知」という。)及び「一般用医薬品販売制度に関するQ&Aについて」(平成二十二年七月十二日付け厚生労働省医薬食品局総務課及び監視指導・麻薬対策課事務連絡。以下「事務連絡」という。)において、講習等への消費者等の参画を求めること、講習等の内容に「医薬品の適正使用と安全対策」等を含めること、業務経験期間が短い配置員を対象とした講習等の実施が望ましいこと、自らが講習等の講師となることをもって当該講習等を受講したとみなすことは適当でないこと等の基準を示し、平成二十二年七月に講習等の実施状況に関する調査を実施し、平成二十三年六月に当該調査の結果を公表するとともに、当該基準に基づく講習等が適切に行われるよう、都道府県を通じて既存配置販売業者を指導したところである。

四及び九について

 お尋ねの「認定基準」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねが、新配置販売業者(薬事法第三十条第一項の許可を受けた者をいう。以下同じ。)における一般従事者(薬剤師及び登録販売者以外の一般用医薬品の販売に従事する者をいう。以下同じ。)のこととするならば、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第三十六条の四第一項に規定する試験(以下「登録販売者試験」という。)を受けようとする者は、薬事法施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)第百五十九条の五の規定等に基づき、その学歴等に応じて一定以上の期間、薬局又は店舗販売業若しくは配置販売業において薬剤師又は登録販売者(以下「薬剤師等」という。)の管理及び指導の下に実務に従事した経験を有することが求められているところ、医薬品の配置販売に従事する一般従事者については、「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成二十一年五月八日付け薬食発第○五〇八○○三号厚生労働省医薬食品局長通知。以下「施行通知」という。)において、当該一般従事者を管理及び指導する薬剤師等が当該一般従事者と直ちに連絡を取ることができる等の適切な体制の下で配置販売に従事できることとしており、「水増し」との指摘は当たらない。

六について

 お尋ねの「既存配置員の資質向上に向けた、厳格かつ確実な研修実施のための指導強化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、既存配置販売業者の配置員に対する講習等については、資質向上通知等において講習等の内容等について基準を示しているところであり、当該基準に基づく講習等が適切に行われ、配置員の資質の向上が図られるよう、引き続き都道府県を通じて既存配置販売業者を指導してまいりたい。
 また、お尋ねの「新配置販売業における専門家の情報提供・相談応需体制の明確化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、新配置販売業者は、一般用医薬品の販売等を行う場合には、同法第三十六条の六の規定等に基づき、一般用医薬品の区分に応じて薬剤師等にその適正な使用のために必要な情報提供をさせる義務又は努力義務を、また、一般用医薬品の購入等を行おうとする者(以下「購入者」という。)から相談又は情報提供の求め(以下「相談等」という。)があった場合には薬剤師等にその適正な使用のために必要な情報提供をさせる義務を負っているところである。

七の1について

 お尋ねについては、新配置販売業者における医薬品の販売体制のこととするならば、新配置販売業者は、一般用医薬品の区分に応じて薬剤師等にその適正な使用のために必要な情報提供をさせる義務又は努力義務を、また、一般用医薬品の購入者から相談等があった場合には薬剤師等にその適正な使用のために必要な情報提供をさせる義務を負っているところであり、医薬品の適正な使用のために必要な情報提供が適切に行われるよう、配置販売に従事する一般従事者を管理及び指導する薬剤師等が当該一般従事者と直ちに連絡を取ることができる等の適切な体制が確保されることが必要であると考えている。

七の2について

 お尋ねについては、個々の状況によって様々であり、一概にお答えすることは困難である。

七の3について

 お尋ねについては、厚生労働省医薬食品局総務課及び監視指導・麻薬対策課から都道府県等に対し、既存配置販売業者の配置員に対する講習等に関して、事務連絡を発出し、その周知を図ったところである。

八の1及び2について

 お尋ねについては、新配置販売業者における医薬品の情報提供体制のこととするならば、購入者から相談等があった場合には、速やかに薬剤師等による情報提供が行える体制の下で一般従事者が一般用医薬品を販売できるという点で、新配置販売業者に対し薬局開設者又は店舗販売業者と同様の措置を求めるものであり、改正法の趣旨と相違するものとは考えていない。厚生労働省としては、医薬品の適正な使用のために必要な情報提供が適切に行われるよう、配置販売に従事する一般従事者を管理及び指導する薬剤師等が、当該一般従事者と直ちに連絡を取ることができる等の適切な体制が確保されるよう、引き続き都道府県を通じて新配置販売業者を指導してまいりたい。

八の3及び十一について

 お尋ねについては、既に、都道府県等に対し、施行通知を発出し、その中で、購入者から相談等があった場合には、速やかに薬剤師等による情報提供が行える等の適切な体制を確保すること等の一般用医薬品の配置販売の方法等を示しているところであり、施行通知の趣旨が徹底されるよう、引き続き都道府県を通じて新配置販売業者を指導してまいりたい。

十について

 お尋ねの特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)における「情報提供」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねが、新配置販売業者における医薬品の情報提供体制のこととするならば、薬事法上の情報提供については、新配置販売業者は、一般用医薬品の区分に応じて薬剤師等にその適正な使用のために必要な情報提供をさせる義務又は努力義務を、また、購入者から相談等があった場合には薬剤師等にその適正な使用のために必要な情報提供をさせる義務を負っているところである。

十二について

 お尋ねについては、新配置販売業者における医薬品の情報提供体制のこととするならば、厚生労働省としては、医薬品の適正な使用のために必要な情報提供が適切に行われるよう、配置販売に従事する一般従事者を管理及び指導する薬剤師等が、当該一般従事者と直ちに連絡を取ることができる等の適切な体制が確保されるよう、施行通知を発出する等しているところであり、引き続き都道府県を通じて新配置販売業者を指導してまいりたい。

十三の1について

 平成二十年度から平成二十二年度までの間に登録販売者試験の受験資格に係る実務経験の証明に関して不正が行われた件数については、平成二十三年八月十七日現在で、各都道府県の公表資料等によれば、延べ九十名分の不正があり、このうち六名は合格取消しを、また、四名は合格取消し及び販売従事登録の消除を、それぞれされたと承知しているが、受験願書の取下げ等の件数については把握していない。

十三の2及び3について

 お尋ねについては、実務経験に係る不正な証明等が行われないよう、都道府県が証明書を審査する際に疑わしい事案があった場合は、勤務簿の確認や関係者への聞き取りを行うなどの十分な確認の実施を求めたところであり、今後とも都道府県と連携し、実務経験の証明に関する不正の防止に努めてまいりたい。