質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五五号

内閣参質一七七第二五五号
  平成二十三年八月十九日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員上野通子君提出放射性物質を含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の処理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員上野通子君提出放射性物質を含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の処理に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの注意事項及び手順に関しては、「放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について」(平成二十三年八月一日付け二三消安第二四四四号・二三生産第三四四二号・二三林政産第九九号・二三水推第四一八号農林水産省消費・安全局長、生産局長、林野庁長官及び水産庁長官連名通知。以下「連名通知」という。)において、「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方」(平成二十三年六月十六日原子力災害対策本部決定)に準じて実施することとなるが、保管又は処理を行う場所の確保等については、政府全体として検討した上で、方針を示したいとしているところである。
 また、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項本文の規定により原子力事業者が賠償する責めに任ずることとされる損害については、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(平成二十三年八月五日原子力損害賠償紛争審査会決定)を踏まえ、適切に賠償されるものと考えている。

二について

 暫定許容値(「原子力発電所事故を踏まえた粗飼料中の放射性物質の暫定許容値の設定等について」(平成二十三年四月十四日付け二三消安第四五六号農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長通知)又は同通知を承継した連名通知に規定する粗飼料中に含有される放射性物質の値であって、粗飼料を肉用牛等に給与する場合に、その肉等から検出される放射性物質の値が暫定規制値(原子力安全委員会が策定した「原子力施設等の防災対策について」に掲載されている「飲食物摂取制限に関する指標」中の値であって、当面、食品中の放射性物質の規制値とされ、これを上回る放射性物質が検出された食品については、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条第二号に該当するものとして取り扱うこととされているものをいう。)を超過しないと考えられる当面の目安として取り扱うこととされているものをいう。)を超過する放射性セシウムが検出された稲わらが給与された肥育牛が存在し、かつ、肥育牛の出荷計画を作成し、出荷時に全ての肥育牛又は肥育農家(肥育牛の飼養を行う農家をいう。以下同じ。)ごとに一頭以上の肥育牛について放射性物質に関する検査を実施することとした都道府県の肥育農家を対象に、肥育牛の飼養頭数一頭当たり五万円を畜産関係団体(以下単に「団体」という。)が支払うとともに、当該肥育農家は、肥育牛を販売した場合等には、一頭当たり五万円を団体へ返還するものとしている。また、肥育牛の販売価格が標準となる価格を下回るときに、その差額を団体が補填するとともに、当該肥育農家は、東京電力株式会社から損害賠償を受けた場合には、補填された金額を団体へ返還するものとしている。御指摘の「国費による農家保護の原則」及び「実質負担」の意味するところが必ずしも明らかでないが、これらの支援策を講ずるに当たって、肥育農家に負担を求める考えはない。