質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五四号

内閣参質一七七第二五四号
  平成二十三年八月十五日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員水野賢一君提出放射性廃棄物の海洋投棄に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員水野賢一君提出放射性廃棄物の海洋投棄に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書(平成十九年条約第十三号)第四条の規定において、締約国は、廃棄物を船舶等から海洋へ故意に処分することを禁止するものとされている。また、海洋法に関する国際連合条約(平成八年条約第六号)第百九十四条の規定において、いずれの国も、あらゆる発生源からの海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため、実行可能な最善の手段を用い、かつ、自国の能力に応じて、全ての必要な措置をとるものとされている。
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第六十二条の規定及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号。以下「放射線障害防止法」という。)第三十条の二の規定において、核原料物質等及び放射性同位元素等は、人命の安全を確保するためやむを得ない場合等のほか、船舶等から海洋へ廃棄してはならないとされている。お尋ねの陸域からの海洋投棄については、現行法令上明文の規定は存在しないが、核燃料物質等又は放射性同位元素等を所定の施設を設置した工場等の外において廃棄する場合には、原子炉等規制法第五十八条第一項の規定又は放射線障害防止法第十九条第二項の規定により、保安又は放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならないとされている。

三について

 お尋ねの日本における放射性廃棄物の海洋投棄については、社団法人日本放射性同位元素協会(当時)が、昭和三十年から昭和四十四年までの十五年間に、相模湾、駿河湾及び房総半島沖において、計十五回の投棄を行ったと承知している。その投棄量の合計は、ドラム缶等に封入したものが千六百六十一本であり、また、その放射能量の合計は、約十五テラベクレルであったと承知している。