質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五三号

内閣参質一七七第二五三号
  平成二十三年八月十五日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員水野賢一君提出使用済み核燃料の最終処分に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員水野賢一君提出使用済み核燃料の最終処分に関する質問に対する答弁書

一について

 現時点で承知している限りでは、原子力発電から発生する使用済燃料について、再処理を行い、ウラン、プルトニウムを取り出した上で、残りの核分裂生成物をガラス固化体にして地層処分することとしている国としては、日本及びフランス、再処理を行わずに地層処分することとしている国としては、カナダ、スウェーデン及びフィンランド、その両方の手段で地層処分することとしている国としては、英国、スイス、スペイン、中国、ドイツ、米国及びベルギーがある。

二について

 お尋ねの「再処理をした上で地層処分した場合と「ワンススルー」で地層処分した場合にかかる費用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、使用済燃料の取扱いについては、「原子力政策大綱」(平成十七年十月十一日原子力委員会決定)において、使用済燃料を全て再処理を行って処分する場合は、全て再処理を行わずに処分する場合と比べて、原子力発電コストが一割程度高いと試算しているが、エネルギー安定供給や環境適合性を確保する等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効に利用することを基本的方針とするとしているところである。

三について

 お尋ねの点については、核燃料サイクルの進め方を含む今後のエネルギー政策の在り方について議論する中で、国民各層の御意見を踏まえて検討してまいりたい。