質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一六号

内閣参質一七七第二一六号
  平成二十三年七月八日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員川田龍平君提出平成二十三年度国際協力重点方針に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出平成二十三年度国際協力重点方針に関する質問に対する答弁書

一の1について

 平成二十三年度に実施する政府開発援助(以下「ODA」という。)については、外務省としては、平成二十三年六月二十七日に公表した「平成二十三年度国際協力重点方針」に基づき、東日本大震災からの「開かれた復興」にも資するよう実施していく方針であり、被災地産業の支援の観点も踏まえつつ、具体的にどのような援助が可能かを検討しているところである。今後、途上国側のニーズ、被災地の状況、援助効果、予算状況等諸般の事情を総合的に勘案した上で、可能な場合には被災地産業の産品を調達するなど、被災地の復興や風評被害の防止にも資するようなODAの実施に努めてまいりたい。

一の2及び3について

 援助物資の具体的な内容等については、途上国側のニーズ等を踏まえ検討することとしており、どのような被災地産品を調達するのかについて、現段階でお答えすることは困難である。

一の4について

 我が国による過去十年間の国連世界食糧計画(以下「WFP」という。)を通じた無償資金協力及びWFPに対する拠出金のうち、御指摘の「サバ缶」、「サンマ缶」等の日本産の水産加工品の購入に充てられたものについて、①予算年度、②金額及び③資金又は購入された水産加工品の供与先を示すと、次のとおりであり、これらの支援は、供与先の国における学校給食等で使用され、栄養状況の改善に貢献するものとして評価されていると承知している。
 (一)WFPを通じた無償資金協力
 ①平成十三年度 ②三億円 ③スリランカ、ガーナ、ギニア、コートジボワール、シエラレオネ及びリベリア
 ①平成十四年度 ②一億七千万円 ③ガーナ、ギニア、コートジボワール、コンゴ共和国、シエラレオネ及びリベリア
 ①平成十五年度 ②二億円 ③コンゴ共和国
 ①平成十六年度 ②一億千三百万円 ③ブルンジ、モザンビーク及びルワンダ
 ①平成十七年度 ②一億三千二百万円 ③バングラデシュ及びニカラグア
 ①平成十八年度 ②一億五千五百万円 ③カンボジア及びパレスチナ
 ①平成十九年度 ②一億六千万円 ③スリランカ及びパレスチナ
 ①平成二十年度 ②一億六千九百万円 ③スリランカ及びパレスチナ
 ①平成二十一年度  ②一億八千五百万円 ③コンゴ共和国及びパレスチナ
 ①平成二十二年度 ②一億七千四百万円 ③バングラデシュ及びパレスチナ
 (二)WFPに対する拠出金
 ①平成十三年度 ②約七億二千五百万円 ③カンボジア、ブータン、ラオス、ハイチ、ボリビア、ベナン及びモザンビーク
 ①平成十四年度 ②約四億八千四百万円 ③バングラデシュ、ラオス、キューバ、ハイチ及びモザンビーク
 ①平成十五年度 ②約三億四千七百万円 ③ラオス、ハイチ、アルジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア及びモザンビーク
 ①平成十六年度 ②約二億八千万円 ③ブータン、ラオス、ハイチ、イエメン、シリア、ヨルダン、エジプト、スーダン、モザンビーク及びルワンダ
 ①平成十七年度 ②約二億二千七百万円 ③ブータン、ジブチ及びルワンダ
 ①平成十八年度 ②約六千六百万円 ③ラオス
 ①平成十九年度 ②約五千五百万円 ③ラオス
 ①平成二十年度 ②約三千九百万円 ③ラオス
 ①平成二十一年度  ②約三千四百万円 ③カンボジア
 ①平成二十二年度 ②約三千八百万円 ③未定

二について

 外務省としては、これまでも東日本大震災後の「開かれた復興」に資する経済外交を推進してきており、御指摘のような「被災地産業のアピール・販売促進」を含む、風評被害の払拭及び日本ブランドの信頼性の回復のための情報発信に全力で取り組んでいる。例えば、在外公館は、海外主要都市において、関係機関と連携して、現地の産業界や報道関係者を対象とした説明会を開催するほか、日本食や被災地を始めとする地域の魅力を紹介する事業などを実施している。
 被災地産業の支援等に関する予算措置については、東日本大震災復興構想会議が平成二十三年六月二十五日に取りまとめた「復興への提言~悲惨のなかの希望~」も踏まえ、御指摘の「在外公館などでの広報文化交流予算」を含め、今後講ずべき施策の必要性、緊急性等を見極めつつ、検討してまいりたい。