質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九六号

内閣参質一七七第一九六号
  平成二十三年六月二十一日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員横山信一君提出特定健康診査等の実施率に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員横山信一君提出特定健康診査等の実施率に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの特定健康診査の実施率については、平成二十年度、健康保険組合が五十九・五パーセント、共済組合が五十九・九パーセントとなっており、全保険者の三十八・九パーセントと比べて高くなっているが、これは、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)上、保険者は、加入者が、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号。以下「安衛法」という。)その他の法令に基づき行われる特定健康診査に相当する健康診断(以下「相当健診」という。)を受けた場合であって、その結果を証明する書面の提出を受けたときは、特定健康診査を行ったものとするとされており、健康保険組合や共済組合においては、事業者が安衛法等に基づく健康診断を行い、その結果を証明する書面の提出を受けている場合が多いことが、その主な理由であると考えている。
 また、全国健康保険協会(以下「協会」という。)の特定健康診査の実施率については、三十・一パーセントとなっており、健康保険組合及び共済組合と比べて低くなっているが、これは、協会においては、事業者に対し、安衛法に基づく健康診断を行った場合にはその結果を証明する書面の提出を行うよう依頼しているが、健康保険組合及び共済組合と比べて一保険者当たりの適用事業所の数が著しく多く、個々の事業者との関係が密接ではないため、事業者からの書面の提出がなかなか行われないことが、その主な理由であると考えている。
 お尋ねの特定保健指導の実施率については、平成二十年度、市町村が十四・一パーセントとなっており、全保険者の七・七パーセントと比べて高くなっているが、これは、市町村においては、特定保健指導制度導入前から健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)による改正前の老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)に基づく健康指導等が実施されていたことから、健康指導等に関するノウハウが蓄積されており、未利用者への勧奨が積極的に行われていることが、その主な理由であると考えている。
 また、協会の特定保健指導の実施率については、三・一パーセントとなっており、健康保険組合の六・八パーセント、共済組合の四・二パーセントと比べて低くなっているが、これは、協会の場合には、中小零細企業が多く、また、その事業所が点在しているため、効率的な保健指導が困難であることが、その主な理由であると考えている。

二について

 健康保険組合連合会等の調査結果によると、被扶養者に対する特定健康診査の実施率は、平成二十年度、二十一・四パーセントと低くなっているが、これは、被用者保険の被保険者の場合は、事業所等での相当健診の受診が可能であるが、被扶養者の場合は、受診の機会が少ないことが、その主な理由であると考えている。
 また、協会においては、平成二十年度の被扶養者に対する特定健康診査の実施率が協会において特に低かったのは、被扶養者について、その申請に基づき特定健康診査の受診券を送付していたことがその主な原因であると分析しており、厚生労働省としてもこのような分析は妥当なものであると考えている。協会においては、現在は、被扶養者からの申請によらず受診券を送付している。
 被扶養者に対する特定保健指導の実施率については、平成二十一年度、協会の事業報告書によると、協会の実施率は〇・四パーセントとなっているが、それ以外の保険者については把握していないため、保険者間の比較を行うことは困難である。

三から五までについて

 厚生労働省においては、現在、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」において、特定健康診査等の在り方について検討を行っているところであり、お尋ねの被扶養者の受診率向上のための取組及び後期高齢者支援金の加算・減算措置についても、同検討会における検討結果を踏まえ、必要な措置を講じてまいりたい。