質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五四号

内閣参質一七七第一五四号
  平成二十三年五月二十七日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 枝野 幸男   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員糸数慶子君提出第三次嘉手納爆音訴訟及び嘉手納統合案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出第三次嘉手納爆音訴訟及び嘉手納統合案に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねのような訴訟が提起されていることは、報道等により承知しているが、現時点では訴状が国に送達されておらず、訴訟提起について政府の見解を述べることは差し控えたい。
 政府としては、累次の機会に、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第二十五条1の規定に基づき設置された合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)における平成八年三月二十八日の嘉手納飛行場における航空機騒音規制措置に関する合意に従い、航空機の運用による騒音の影響をできるだけ軽減するよう米国政府に申入れを行ってきている。
 また、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条等の規定に基づき、嘉手納飛行場周辺の一定の区域の住宅等について、防音工事に関する助成の措置等を講じてきている。
 さらに、これまでも、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編の実施のための日米ロードマップ」に盛り込まれた訓練移転(以下「米軍再編に係る訓練移転」という。)を着実に実施してきており、米軍再編に係る訓練移転の拡充についての平成二十三年一月二十日の日米合同委員会合意に基づくグアムへの訓練移転などの取組を通じ、嘉手納飛行場周辺における更なる騒音軽減を図っていく考えである。

二について

 御指摘の「声明」については、米国議会の一部の議員から米国国防省に対しての提言であり、我が国政府として見解を述べることは差し控えたい。

三について

 航空機の運用による騒音に関する日米合同委員会等における協議の詳細について明らかにすることは、米側との関係もあり、差し控えたいが、例えば、日米間での協議の結果、平成二十二年十月二十八日に開催された日米合同委員会において、米側から米国国防省発行の運航情報誌における普天間飛行場の運用時間の記述を、日米合同委員会における平成八年三月二十八日の普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合意に沿ったものであることがより明確になるような記述に改めるとの説明を得た。また、平成二十三年四月二十一日に開催された日米合同委員会において、米側から、本年三月に同情報誌の当該記述が修正された旨の報告があった。

四について

 嘉手納飛行場及び普天間飛行場における米国軍隊の航空機の運用については、日米地位協定並びに日米合同委員会における平成八年三月二十八日の嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合意に従って行われていると認識している。

五について

 お尋ねについて網羅的かつ確定的にお答えすることは困難であるが、政府としては、米国軍隊は、日本国とアメリカ合衆国政府との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)の目的達成のため、嘉手納飛行場において、御指摘の「外来機」を含め各種航空機部隊の運用を行っており、例えば、F-二二戦闘機については、米国バージニア州ラングレー空軍基地に所在する第二十七戦闘中隊に所属する合計十二機が平成十九年二月十七日から約三か月間、同中隊に所属する合計十二機が平成二十一年一月十日から約三か月間、米国バージニア州ラングレー空軍基地に所在する第九十四戦闘中隊に所属する合計十二機が平成二十一年五月三十日から約四か月間、米国ニューメキシコ州ホロマン空軍基地に所在する第四十九戦闘航空団第七戦闘中隊に所属する合計十二機が平成二十二年五月二十六日から約三か月間、米国アラスカ州エレメンドルフ-リチャードソン統合基地に所在する第三航空団第五百二十五戦闘中隊に所属する合計十五機が平成二十三年一月十二日から約三か月間、それぞれ同飛行場に展開したと承知している。

六について

 お尋ねの「訓練移転の実績」について、訓練実施期間、移転先及び参加した航空機数を示すと、次のとおりである。なお、参加した航空機はいずれもF-一五戦闘機である。
 平成十九年三月五日から同月八日まで 築城基地 五機
 平成十九年五月十六日から同月二十三日まで 小松基地 五機
 平成十九年七月十六日から同月二十一日まで 三沢基地 五機
 平成十九年九月三日及び同月四日 新田原基地 二機
 平成二十年七月二十三日から同月三十日まで 三沢基地 六機
 平成二十年九月二日から同月四日まで 新田原基地 二機
 平成二十年十二月八日から同月十二日まで 千歳基地 五機
 平成二十一年二月二十三日から同月二十七日まで 新田原基地 五機
 平成二十一年十月二日から同月九日まで 百里基地 五機
 平成二十二年一月二十九日から二月五日まで 百里基地 六機
 平成二十二年十一月八日から同月十九日まで 千歳基地 十二機