質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三九号

内閣参質一七七第一三九号
  平成二十三年五月十三日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員浜田和幸君提出温室効果ガス排出量の削減目標と原子力発電のコストに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出温室効果ガス排出量の削減目標と原子力発電のコストに関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十一年九月に、鳩山内閣総理大臣(当時)は、全ての主要国による公平かつ実効性ある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意を前提とした温室効果ガスの排出量を二十五パーセント削減するとの目標(以下「削減目標」という。)を掲げ、削減目標を達成するための具体的な対策・施策については、今後検討するとしていた。一方、政府が国会に提出している地球温暖化対策基本法案においては、削減目標の達成に資するため、再生可能エネルギーの利用、エネルギーの使用の合理化の促進等のほか、安全の確保を旨として、国民の理解と信頼を得て、原子力に係る施策を推進するものとしている。

二及び三について

 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故が、今後の我が国のエネルギーの需給、経済及び気候変動政策にどのような影響を及ぼすのか予断できず、当該地震及び事故が削減目標に与える影響については、現時点で判断できる状況にないと考えており、御指摘の「特別作業部会等」においても、我が国からその旨の説明を行っている。

四について

 地球温暖化問題は、人間活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガス濃度を増加させることにより、地球全体の地表、大気及び海水の温度を追加的に上昇させ、自然の生態系及び人類に深刻な影響を及ぼすものである一方、放射性物質の外部への大量放出は、当該物質が出す放射線により、周辺環境に深刻な影響を及ぼすものであり、両者の地球環境に対する負荷はいずれも大きいものと考えている。

五について

 御指摘の「補償費用」及び「保険料」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、原子力発電に係る発電コストについては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故の検証、今後のエネルギー政策の在り方の議論等を踏まえ、その算定方法を検討していく必要があると考えている。