質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇二号

内閣参質一七七第一〇二号
  平成二十三年三月十一日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員福島みずほ君提出マレーシアのパハン・スランゴール導水事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出マレーシアのパハン・スランゴール導水事業に関する質問に対する答弁書

一の1について

 「パハン・スランゴール導水計画」(以下「本計画」という。)は、御指摘の「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」の適用対象外であるが、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)は、本計画の実施に当たり、同ガイドラインに沿って、適切な対応を行ってきているものと承知している。

一の2から4までについて

 本計画による移転住民には、一世帯当たり五エーカーのアブラヤシ農園用地及び同用地へのアブラヤシの植樹がマレーシア政府から無償で提供され、その後四年間はアブラヤシの育成及び管理についても支援が行われる予定と承知している。同農園から得られる収入は、大多数の世帯が移転前に得ていた収入と比較しても、生活水準の維持又は向上に資する水準と見込まれている。また、各世帯には一エーカーの農業用地が無償で提供され、同用地の耕作を通じた収入も見込まれている。さらに、マレーシア政府は、移転後の生活水準等の維持又は向上を図る観点から、その他各種の支援を行う方針であると承知している。
 また、マレーシア政府は、これまでも定期的にモニタリング会合を主催し、本計画によって影響を受ける住民の代表、本計画に関心を有する非政府組織等から意見を聴取し、これを踏まえて本計画の適切な実施に努めているものと承知している。今後も、住民等の意向を考慮しつつ、本計画が実施されるものと理解している。

一の5について

 マレーシア政府は、移転対象住民が移転前に利用してきた農地、森林等を、従来と同様に利用することを認めているものと承知している。

二及び三について

 在マレーシア日本国大使館及びJICAの現地事務所は、これまでもモニタリング会合に参加し、移転住民及び非移転住民の生活水準等の維持又は向上に関して、マレーシア政府に適切な対応を行うよう働きかけを行ってきており、今後も同会合に参加の上、必要に応じ働きかけを行っていく所存である。