質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第九八号

内閣参質一七七第九八号
  平成二十三年三月十一日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員横山信一君提出国立大学法人練習船の整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員横山信一君提出国立大学法人練習船の整備に関する質問に対する答弁書

一について

 国立大学の水産学に関する学部を卒業した者や水産学に関する大学院の課程を修了した者は、幅広い分野で活躍しているものと認識している。

二について

 御指摘の「北星丸」、「鶴水」及び「敬天丸」の三隻については、これらの練習船を保有する国立大学法人北海道大学、国立大学法人長崎大学及び国立大学法人鹿児島大学における水産専攻科の廃止等を踏まえ廃船されたものであり、また、国立大学法人が保有する練習船(以下単に「練習船」という。)の中には従来に比べて規模が縮小されているものもあるが、各国立大学においては、当該国立大学法人の他の練習船の利用や他の国立大学法人の練習船の共同利用等により、それぞれの教育研究に必要な海洋観測等を支障なく行っているものと認識している。

三について

 練習船は、水産学等に関する大学院の課程において、高度な内容の海洋観測や海洋生物観測等を行う上で重要な役割を果たしているものと認識している。

四について

 御指摘の「教育関係共同利用拠点制度」は、練習船を含む各大学の教育に係る施設について、各大学からの申請に基づき、当該大学の教育上支障がない等と認められるときに、他の大学との共同利用の拠点として文部科学大臣が認定するものである。各練習船がどの程度の規模を必要とするかについては、それぞれの練習船において行われる教育研究の目的等により異なるものであり、一概にお答えすることは困難である。

五について

 各国立大学法人の教職員である練習船の乗組員の年次休暇の取得等については、練習船を共同利用に供する場合も含め、国立大学法人ごとに適切に行われるべきものである。
 平成十七年度から平成二十一年度までの各年度における国立大学法人の乗組員(常勤の教職員である者に限る。)の年次休暇の平均取得日数については、文部科学省のホームページに掲載しているところである。
 お尋ねの「振替休日の取得状況」については、現在、同省において精査中であり、精査が終わり次第、同省のホームページに掲載する予定である。

六及び七について

 練習船に必要とされる設備や性能の詳細については、それぞれの練習船の教育研究目的や航行区域等によって異なるものであり、一概にお答えすることは困難である。

八、九及び十一について

 練習船については、船舶の安全性の確保や海洋の汚染防止等の観点から定められた法律等に従い建造し、運航される必要があり、また、それぞれの練習船の教育研究目的等に応じ、必要な規模や性能等を備える必要があると考えている。

十について

 船舶の旅客室については、船舶における安全性の確保の観点から、船舶設備規程(昭和九年逓信省令第六号)第八十条において「旅客室ハ最高航海吃水線ノ下方一・八メートルニ当ル箇所ヨリ上方ニ之ヲ設クベシ」と規定されており、練習船はこの基準を含め法令に定める基準を満たして建造される必要があると考えている。