質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第七二号

内閣参質一七七第七二号
  平成二十三年二月二十五日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員横山信一君提出介護保険料の特別徴収及び社会保険料控除の在り方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員横山信一君提出介護保険料の特別徴収及び社会保険料控除の在り方に関する質問に対する答弁書

一について

 介護保険制度における保険料の特別徴収は、被保険者の保険料納付の利便性の向上及び市町村の保険料徴収事務の効率性の向上を図る観点から導入したものである。また、保険料の徴収事務の効率性の向上についての市町村の強い要望も踏まえ、平成十二年四月の制度発足当時、第一号被保険者の約八割を占める年額十八万円以上の年金の受給者を特別徴収の対象としたものである。

二及び七について

 後期高齢者医療制度については、制度発足当初より様々な批判があり、保険料を原則として年金から徴収することについても批判があったことから、同制度の円滑な運営を図るため、様々な改善策の一環として、特別徴収と口座振替の方法による徴収を選択することを可能としたものである。
 介護保険制度については、平成十二年四月の制度発足以来、特別徴収の方法による保険料の納付が定着し、安定的に運営されてきていることから、後期高齢者医療制度の発足に際し、特別徴収と口座振替との選択制としなかったものであり、「施策の整合性がとれておらず、不合理ではないか」との御指摘は当たらないと考える。したがって、現時点においても、介護保険制度において特別徴収と口座振替との選択制としたり、御指摘のように後期高齢者医療制度で口座振替を選択した者について介護保険制度における口座振替を認めることは考えていない。

三について

 後期高齢者医療制度における保険料について、特別徴収の方法による徴収の対象となった被保険者のうち、口座振替の方法により徴収されることを選択した被保険者数は、平成二十年十月の年金の支払時点から平成二十二年十月の年金の支払時点までの間の累計で、約八十三万人である。また、お尋ねの「減税の総額」については把握していない。

四について

 お尋ねについては、介護保険料の特別徴収により、世帯主の社会保険料控除の対象から外れる被保険者の属する世帯の実態について把握しておらず、お答えすることは困難である。

五について
 お尋ねについては、把握していない。

六について

 六十五歳未満の第二号被保険者について、世帯主の社会保険料控除の対象となるのは、当該世帯主が保険料を負担している場合である。一方、六十五歳以上の第一号被保険者の特別徴収の場合には、世帯主が保険料を負担していないことから、世帯主の社会保険料控除の対象とならないものであり、このことをもって「年齢による差別であり、税負担の公平性の観点から問題がある」との御指摘は当たらないものと考える。

八について

 お尋ねの政令については、現時点において規定すべき事項がないことから、定めていない。
 また、高齢者の医療の確保に関する法律施行令(平成十九年政令第三百十八号)第二十三条第三号は、保険料の口座振替について規定しているものであるが、二及び七についてで述べたとおり、介護保険制度において保険料の口座振替を認めることは考えていない。