質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第三六号

内閣参質一七七第三六号
  平成二十三年二月八日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山谷えり子君提出菅首相の施政方針演説に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出菅首相の施政方針演説に関する質問に対する答弁書

一について

 「地域主権」という用語は、比較的新しい用語であるため、例えば、御指摘のような「地域主権」という表現を用いることに対する慎重な御意見があるものと考えるが、「地域主権戦略大綱」(平成二十二年六月二十二日閣議決定)で示しているとおり、「地域主権」は、「日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革」の根底をなす理念として掲げているものであり、「「国民主権」の内容を豊かにする方向性を示すもの」である。また、御指摘の「安全保障やエネルギー分野など」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、国においては、国際社会における国家としての存立に関わる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担うべきであると考えている。

二について

 硫黄島において、今般、新たに発見された集団埋葬地は、摺鉢山山麓のものと硫黄島飛行場の滑走路の西側のものの二か所であり、そこに埋葬されていると思われる遺骨の柱数は、米国側資料の記述によるとそれぞれ約二百柱と約二千柱である。
 御指摘の滑走路下の埋葬地の存否については、まずは資料調査を行うとともに、探査方法の検討等を行うこととしており、現時点において、お尋ねの調査結果及び費用をお示しすることは困難である。
 また、お尋ねの「硫黄島からの遺骨帰還のためのボランティアを増員する場合」の具体的な募集方法等については、現在検討中であり、現時点においてお示しすることは困難であるが、取りまとめ次第、ホームページ等で速やかに公表することとしたい。

三について

 拉致被害者を含めた邦人の安全確保は、政府にとって極めて重要な課題であり、その対応に遺漏なきを期するのは当然のことであるが、具体的にいかなる検討を行っているか等については、事柄の性質上、個別具体的にお答えすることは差し控えたい。
 また、邦人の安全確保のために、自衛隊が派遣先の外国でどのような活動を行うかについては、様々な観点からの議論が必要であると考えている。

四について

 御指摘の演説の内容については、内外の諸情勢等を勘案し、内閣として決定したものである。いずれにせよ、政府としては、我が国の領土の保全及び海洋における我が国の主権的権利等の確保につき万全を期す考えである。