質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質一七七第二号
  平成二十三年二月一日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員浜田和幸君提出脱北者の定着支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出脱北者の定着支援に関する質問に対する答弁書

一及び四について

 政府としては、御指摘の「日本版ハナ院」のような定着支援施設を設立する考えはないが、今後とも、我が国に帰国し、又は入国した脱北者が自立した生活を送ることができる環境を早期に整えるため、関係省庁の緊密な連携の下、個別のケースに応じて、生活保護の受給等のための支援、職業相談、精神的なケアの実施、日本語教育機関の紹介、公営住宅への入居に係る協力要請等の施策を実施することとしている。

二について

 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第一条に規定する同法の目的に鑑みると、同法に基づく保護の必要性があるにもかかわらず、その支給期間を限定することは困難であると考える。これは、同法に基づく保護に準じた保護の対象となる外国人についても当てはまるものである。
 一方、自立の助長という観点からは、生活保護受給者である脱北者に対する就労支援も重要であり、日本での就労が可能であり、かつ、就労を希望する者に対し、公共職業安定所において、その者の希望に応じたきめ細かな職業相談、職業紹介等を行うことにより、就労支援を行うこととしている。

三について

 お尋ねの「脱北者を雇用した事業主に対し、雇用促進の見地から助成金を支給する」ことについては、事業主に対して、脱北者の雇入れを依頼する際、その者が脱北者であるという情報を提供する必要があり、本人、その支援者及び北朝鮮に在住している親族の安全の確保に鑑みると、慎重に検討すべきであると考える。

五について

 厚生労働省としては、御指摘の医療費の公的支援制度の導入については考えていないが、無料低額診療事業(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条第三項第九号に規定する事業をいう。)の実施機関において、生計困難な脱北者等を当該事業の対象とすることは可能である。