質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第二八八号

歯科医療の適切な提供、歯科検診の受診状況に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年八月三十日

田 村 智 子   


       参議院議長 西 岡 武 夫 殿



   歯科医療の適切な提供、歯科検診の受診状況に関する質問主意書

 歯の健康の確保は全身の健康の確保にとって重要であり、そのために適切な医療が提供されるような歯科診療体制や、歯科疾患の予防のための検診体制の確保が必要である。一方で、歯科診療報酬が長期にわたって据え置かれたため歯科医療機関の経営は危機的な状態にあり、前回の診療報酬改定による引き上げによっても回復されたとは言えない。また、歯の検診体制も不十分であり、いっそうの充実が急務である。
 その観点から以下、質問する。

一 歯科診療報酬のうち一九八六年改定以来、点数が変わっていない項目について明らかにされたい。これらの項目が二十五年間引き上げられてこなかったことは、賃金上昇や物価上昇などと比べて必要な評価が行われてきたとは言えないのではないか。

二 新規開業歯科医師のワーキングプアが問題となるなど歯科医療は崩壊の縁にあるが、その原因の一つは一で指摘した長期にわたって据え置かれてきた項目をはじめとする歯科診療報酬、特に歯科特有の技術について適切な評価が行われなかったことにある。次期診療報酬改定で歯科診療が適切に確保されるよう十分な評価がされるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

三 歯周疾患検診について

1 健康増進法に基づく歯周疾患検診は現在四十歳、五十歳、六十歳、七十歳の節目を対象として行われている。直近五年間について年度ごとに、歯周疾患検診の受診者数、年度内に歯周疾患検診(節目検診)の対象となる四十歳、五十歳、六十歳、七十歳の誕生日を迎える者の数、歯周疾患検診の実施自治体数及びそれが全自治体に占める割合について明らかにされたい。
2 歯周疾患検診の受診者数、実施自治体数とも低い割合にとどまっているが、政府はその原因についてどのような認識を持っているか。また、歯周疾患検診の受診者数や実施自治体数を増加させるために、どのような対策を行っているのか。自治体に対する働きかけの強化とともに補助率の引き上げなど財政的な支援を強化すべきではないか。
3 歯周病の予防が国民の健康状態の改善につながることは厚生労働省も認めているが、歯周疾患検診について検診間隔の短縮による対象の拡大などさらに充実をはかるべきではないか。

  右質問する。