質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第二八三号

朝鮮学校の高校授業料無償化の審査再開に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年八月三十日

山 谷 え り 子   


       参議院議長 西 岡 武 夫 殿



   朝鮮学校の高校授業料無償化の審査再開に関する質問主意書

 平成二十二年十一月の北朝鮮による韓国延坪島砲撃を理由として停止していた朝鮮学校の高校授業料無償化審査の手続きが、平成二十三年八月二十九日に再開されたことについて、以下のとおり質問する。

一 平成二十三年一月二十六日に私が提出した「朝鮮学校無償化審査の手続き停止に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣参質一七七第二二号)では、「先般の北朝鮮による砲撃が、我が国を含む北東アジア地域全体の平和と安全を損なうものであり、政府を挙げて情報収集に努めるとともに、不測の事態に備え、万全の態勢を整えていく必要があることに鑑み、現時点で一旦停止しているところである。」とされている。
 その後、平成二十三年八月十日にも北朝鮮の朝鮮人民軍が延坪島に近い北方限界線(NLL)付近海域に向け砲撃し、韓国軍も応射したとされる。
 朝鮮半島におけるこのような予断を許さない状況の中、一体どのような基準で「昨年の砲撃以前の状況に戻った」「朝鮮半島を巡る緊張緩和」と判断し、朝鮮学校の高校授業料無償化審査の手続きについて、再開の指示に至ったのか示されたい。

二 朝鮮学校を高校授業料無償化の対象とすることについて、また、その後の審査停止からの再開条件については、衆参の内閣委員会、文教科学委員会、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会などでも慎重論が続出していたにもかかわらず、菅総理大臣退陣の前日に異例ともいえる審査の再開を指示したことについて、政府の見解を示されたい。

三 菅総理大臣の資金管理団体「草志会」が北朝鮮による日本人拉致事件容疑者親族の周辺団体に献金していた問題について、十分な説明、解明が行われていない現状の中、総理指示で一方的ともいえる朝鮮学校の高校授業料無償化審査の再開を実施したことは、菅総理大臣と北朝鮮との関係に更なる疑念を抱くものとなるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。