質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第二二八号

電力小売の自由化の実態に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年七月十一日

水 野 賢 一   


       参議院議長 西 岡 武 夫 殿



   電力小売の自由化の実態に関する質問主意書

 本年七月七日の参議院予算委員会での私の質問に対して海江田万里経済産業大臣は、一般電気事業者が自らの管内以外に電力を供給するいわゆる「越境供給」は一件しかないと答弁した。
 現在、電力小売は一部自由化されているため、本来であれば「越境供給」は一件にとどまらず、はるかに多く実施されているべきだと考える。すなわち制度上は一定の自由化が進んでいても、実態としては自由化が進んでいないと言わざるをえない。そこで以下質問する。

一 現在、電力小売の自由化の対象とされている契約電力が五十キロワット以上の需要家は全国にどれくらいあるか。つまり「一件」というのが「分子」だとすれば、「分母」にあたるのは何件になるか示されたい。

二 電力小売が一部自由化されているにもかかわらず、「越境供給」の数がこれだけ少ないことについて、政府の見解を示されたい。

三 特定規模電気事業者の発電量と、それが電力市場の自由化部門に占める割合について現状を示されたい。また、それが電力の全需要に占める割合も示されたい。

四 電力小売が一部自由化されている中で、三で示された特定規模電気事業者の発電量の占める割合について十分と考えるか、それとも電力小売の自由化の制度設計をした時の狙いが満たされていないと考えるか、政府の見解を示されたい。

五 送電会社を発電会社と分離するいわゆる「発送電分離」を行えば、契約電力が五十キロワット以上の需要家という現行の電力小売の自由化の対象のままでも、「越境供給」や特定規模電気事業者の参入はもっと増えると政府は考えるか。

  右質問する。