質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第一六〇号

輸入小麦の確保と食糧安全保障戦略に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年五月二十三日

浜田 和幸   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   輸入小麦の確保と食糧安全保障戦略に関する質問主意書

 平成十一年にアフリカのウガンダで発生した小麦の病気である「小麦さび病」が、アフリカから風に乗ってアジアに広がっている。この「小麦さび病」の影響により、最大で世界の小麦の八十パーセントが被害を受けるとの試算もあり、世界の小麦生産への深刻な影響が懸念されている。実際、小麦の国際市場価格は「小麦さび病」などの影響により近年急激に上昇している。
 他方、我が国の小麦の自給率は十一パーセントに過ぎず、「小麦さび病」は我が国の食糧安全保障戦略に直結する重要課題である。
 そこで以下のとおり質問する。

一 政府は、「小麦さび病」による世界的な小麦の減産の可能性を踏まえ、我が国における小麦の安定的な供給を確保するため、具体的にどの国との間で小麦の安定供給契約を現在結んでいる、あるいは、結ぶ予定なのかについて明らかにされたい。

二 世界的な「小麦さび病」対策について、政府は具体的にどのような形で関与しているのかについて明らかにされたい。

三 世界の約三十か国が、GPS(全地球測位システム)を利用した「小麦さび病」の監視体制に参加しているが、我が国もこの監視体制に参加するのか。政府の見解を示されたい。

四 我が国で生産されている小麦が「小麦さび病」に耐えられるようにすべく、品種改良をする必要があると思料されるが、「小麦さび病」対策として、政府が資金援助ないし技術援助をする予定はあるのか。政府の見解を示されたい。

五 このままのペースで「小麦さび病」が広まった場合、我が国が必要とする小麦を十分確保できなくなる可能性が高い。その場合、不足分については小麦の代替品を用意する必要があるが、具体的にどのような作物を検討しているのか及び検討対象となる作物について国内生産と輸入のいずれを検討しているのかについて明らかにされたい。

  右質問する。