質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第一一八号

公的年金給付と児童扶養手当の併給調整についての検討の後退に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年三月十日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   公的年金給付と児童扶養手当の併給調整についての検討の後退に関する再質問主意書

 「公的年金給付と児童扶養手当の併給調整についての検討の後退に関する質問主意書」(第百七十七回国会質問第四〇号。平成二十三年二月三日提出)に対する「答弁書」(内閣参質一七七第四〇号。平成二十三年二月十日)を受領した。答弁書の「八について」では、公的年金給付と児童扶養手当の併給調整の制限の見直しについて、「同法(児童扶養手当法改正法)の施行後三年を目途として、児童扶養手当制度を含め、母子家庭等に対する支援施策の在り方について検討を行うこととして」いると答弁しているが、政府の今後の検討の進め方については具体的に明らかにされていない。
 また、答弁書の「四について」において、「祖父母が保護者として十八歳未満の孫を養育する場合、都道府県等が必要があると認めるときは、公的年金の支給を受けることができる場合であっても、児童福祉法(中略)第五十条第七号等の規定に基づき、親族里親として措置費の支給を受けることができる」との答弁があったが、親族里親制度の活用については、都道府県、政令市の温度差が大きい。具体的には、平成二十一年度において、栃木県、千葉県、新潟県、三重県及び福岡県では二十件を超える活用例がある一方、高知県、さいたま市、浜松市及び広島市では全く実施されていない。
 そこで、再度質問する。

一 親族里親制度の活用に関して都道府県及び政令市において大きなバラツキがある現状及びその原因を政府としてどう認識しているのか。また、当該制度そのものの周知を図る必要があると思うが、今後、どのように周知をしていこうと考えているのか、具体的に示されたい。

二 民法第八百七十七条第一項では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と、子どもを扶養する義務を規定している。本規定の趣旨と親族里親制度の関係を政府としてどう認識しているのか。両者の関係について政府の認識が明確でないことにより親族里親制度の適用・活用に慎重になっている自治体があるとの指摘があるが、その点をどのように改善していくのか政府の方針を示されたい。

三 「児童福祉法施行規則第一条の三十三第二項第二号」(平成二十一年四月施行)には、親族里親として認定を受ける要件として、「要保護児童の両親その他要保護児童を現に監護する者が死亡、行方不明又は拘禁等の状態となつたことにより、これらの者による養育が期待できない要保護児童の養育を希望する者」と規定されているが、疾病による入院や精神疾患により、子どもを養育できない場合の扱いが都道府県によって統一されていない。当該規定において、疾病等によって子どもを養育できない場合なども規定して、要件の明確化を図るべきと考えるが、政府の見解如何。

四 年金受給者に対する児童扶養手当の併給については、要望する声が多い。答弁書において「母子家庭等に対する支援施策の在り方について検討を行う」とあるが、三年後の見直しにおいて、少なくとも児童扶養手当の額が公的年金の額を上回る場合、その差額については、児童扶養手当として支給する等、公的年金と児童扶養手当との併給調整の見直しを重要課題として取り組むべきであると考えるが、政府の明確な方針を明らかにされたい。

  右質問する。