質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇六号

青年海外協力隊員等の帰国後の就職対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年三月七日

松下 新平   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   青年海外協力隊員等の帰国後の就職対策に関する質問主意書

 青年海外協力隊は、昭和四十年に発足して以来、今日までに三万五千三百名余の青年が世界八十か国以上に派遣され、我が国の国際貢献の一環として重要な役割を果たしてきた。昨今、我が国では内向き志向の若者が増えているといわれる中、現在も約七十五か国で二千六百名余の青年海外協力隊員が情熱をもってボランティア活動を行っていることは、極めて有意義かつ貴重なことと考える。
 しかし、近年、青年海外協力隊の応募者数は減少傾向にあり、平成二十一年度(四千七百五十二名)は、ピークだった平成六年度(一万千八百三十二名)に比して、約六割減という状況にある。この背景には、長引く不況の中、帰国後の就職への不安が大きく影響していると考えられ、帰国後の隊員の就職対策の強化が求められている。
 また、我が国の非政府組織(NGO)も多くの若者を海外に派遣し、様々な国際貢献活動を展開しているが、NGOに優秀な人材を確保する観点から、帰国後に海外での活動経験を生かして企業等に就職を希望する者に対し、支援策を講じる必要がある。
 そこで、青年海外協力隊やNGO等の活動に携わった方々(以下「青年海外協力隊員等」という。)の海外における各種貢献に報いるとともに、帰国後の就職を支援する観点から、以下、質問する。

一 政府は、青年海外協力隊員等が帰国後に就職することが困難である理由をどのように認識しているか。

二 青年海外協力隊員等の海外での各種貢献活動を認定・評価して、これらの方々を採用しようとする企業が、当該海外での各種貢献活動を客観的かつ容易に把握できるような制度を設けるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 企業等に対し、青年海外協力隊員等を採用することへのインセンティブを与えるため、二で述べた認定・評価に基づいて、次のような制度を設け、採用企業等にメリットを付与すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

(1) 国、地方公共団体、特殊法人、独立行政法人等のサービスや物品等の調達、公共事業等の入札において、参加資格や指名基準の設定、また総合評価方式に係る評価項目の設定に当たり、青年海外協力隊員等の採用実績について十分配慮する。
(2) 青年海外協力隊員等を採用している企業に対する税制上の優遇措置を設ける。

四 企業が青年海外協力隊員等を採用することが社会的に評価されるよう、国及び地方公共団体が、青年海外協力隊員等を採用している企業をCSR(企業の社会的責任)に積極的に取り組む企業として顕彰するとともに、企業名を公表できるようにする制度を設けるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 国家公務員及び地方公務員、独立行政法人等職員、国公立学校教員の採用において、青年海外協力隊員等に配慮した特別採用枠を設けることを推進すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。