質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第九九号

高速道路の透光板の長寿命化対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年三月二日

秋野 公造   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   高速道路の透光板の長寿命化対策に関する質問主意書

 近年、経済活動の広域化が進展するとともに、東アジア諸国の経済成長により国際競争が激化しており、人・モノの流れの効率化による国際競争力の強化が喫緊の課題である。我が国の高規格幹線道路の整備済み延長は九千四十七キロメートル(平成十九年四月現在)である一方、高速道路ネットワークが連続していないのが現状であり、危険極まりない暫定二車線の四車線化などを含めて東アジアの交通ネットワークとの連携を意識しつつ早急に高速道路ネットワークの効率化を図ることが重要だと認識している。
 また、既存の社会資本ストックについて戦略的な維持管理体制を構築して、長寿命化対策を適切に実施していくことが重要である。国土交通省において、昨年度から、社会資本ストックの適切な維持管理を行うために、これまでの「事後的管理」から「予防保全的管理」へ転換を図ったと認識しており、その流れが加速され充実強化されることが極めて重要である。
 近年、高速道路において顕著になってきている課題は、遮音壁として景観を重視する等の観点から設置されている透光板の維持管理である。透光板の設置により、高速道路利用者にとっては、圧迫感が軽減されるなど多くの安全面の効果があると認識している。しかしながら、既存の透光板について白濁・劣化などの問題が起きている。そこで、予防保全的管理と長寿命化対策の観点から、以下のとおり質問する。

一 高速道路の透光板設置の現状について

 高速道路上の遮音壁については、景勝地などの風景を重視し景観向上を図るために、地域の方の要望する箇所などについて、平成三年度頃から、透光板を設置してきている。約二十年が経過して、既存の透光板には白濁・黄ばみ・たわみ・表面剥離などの劣化箇所が多数発生しているが、その劣化面積、同面積が透光板設置面積にしめる割合(高速道路会社別)及びその劣化原因についての政府の現状認識を示されたい。また、高速道路上の劣化した透光板の改善対策についての政府としての取組を示されたい。

二 高速道路の透光板の長寿命化対策について

 高速道路上の透光板設置については、高速道路利用者への圧迫感・閉塞感を緩和させ安全かつ快適な運転に資するものであり有効なものだと実感している。また、高速道路周辺地域の住民にとっても景観向上が図られるとの声もあり、今後とも可能な限り透光板の設置を推進すべきと考える。
 今後、高速道路上に設置予定の透光板について、十分に考慮すべきことは、戦略的維持管理体制の構築の観点を踏まえ、予防保全的管理を可能にするために、最低でも二十年間は白濁しないなどを評価できる性能基準に基づき設置時点の性能を維持し、長寿命化させることだと考えるが、政府の見解如何。
 また、ライフサイクルコストの低減とイニシャルコストの低減を同時に図る経済性も十分考慮することが必要だと考えるが、政府の見解如何。さらに、循環型社会構築の観点から、既存の透光板を交換する際、環境負荷の少ない材料またはリサイクル方法で再利用を図ることが必要だと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。