質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第七九号

菅内閣総理大臣の衆議院予算委員会答弁に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年二月十八日

佐藤 正久   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   菅内閣総理大臣の衆議院予算委員会答弁に関する質問主意書

 鳩山由紀夫前内閣総理大臣が沖縄の地元紙のインタビューに対し、昨年五月に米軍普天間飛行場の県外移設を断念した理由として、在沖米海兵隊の抑止力の重要性を挙げたことについて「辺野古に戻らざるを得ない苦しい中で理屈付けしなければならず、考えあぐねて「抑止力」という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」と語ったことは、許し難い暴言であると認識せざるを得ない。
 この発言に関して、平成二十三年二月十六日に開催された衆議院予算委員会において、日本共産党の赤嶺委員の「総理は、鳩山前首相の発言についてどのように考えていますか」との質問に対し、菅内閣総理大臣は「沖縄の海兵隊を含む在日米軍の存在は、我が国の平和と安全にとって大変大きな役割を果たしていると考えております」としたうえで、「内容的にも私の認識とは若干、もし報道されているようなことであったとすれば、違っていると認識いたしました」と答弁した。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 菅内閣総理大臣は、内閣総理大臣就任前の平成十三年八月の沖縄訪問に際して、「在沖米海兵隊は沖縄に必ずしも存在しなくても日本の安全保障に大きな支障はない」と発言していたが、前記質問に対しては、「沖縄の海兵隊を含む在日米軍の存在は、我が国の平和と安全にとって大変大きな役割を果たしていると考えております」と答弁している。
 如何なる時期に、如何なる理由をもって、在沖米海兵隊の存在及び役割についての評価が変わったのか、明らかにされたい。

二 菅内閣総理大臣は前記質問に対して、「内容的にも私の認識とは若干(略)違っていると認識」と答弁したが、この「若干の違い」とは何か、詳らかにされたい。

三 鳩山前内閣総理大臣の所謂「方便」発言は、職を退いた後とはいえ、内閣総理大臣の職にあった者の発言として、将来に禍根を残すものであると認識している。
 菅内閣総理大臣は、鳩山前内閣総理大臣に対して、今般の発言の趣旨を確認、または発言の訂正を求める考えはあるか。仮にそれを行わないとするならば、如何なる理由で行わないのか、明らかにされたい。

  右質問する。